2003 Fiscal Year Annual Research Report
衛星リモートセンシングによるインドネシア沿岸域の水質環境評価に関する研究
Project/Area Number |
14750729
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
作野 裕司 広島大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20332801)
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Keywords | 衛星 / リモートセンシング / インドネシア / 沿岸域 / 水質 / 環境評価 / ASTER / TOPEX / POSEIDON |
Research Abstract |
本研究は,水質環境問題が深刻でかつデータ入手が困難なインドネシア沿岸域において,衛星データを利用した水質評価のための基礎研究と位置づけられる。即ち,衛星データ及び現場データを収集し,地形が複雑でかつ現地調査の難しい沿岸域の濁度推定アルゴリズムの開発・検証を行う。そして,その後GIS(地理情報システム)の手法を使って衛星/現場データベースを構築することにより,インドネシア沿岸の水質環境を総合的に評価するための基礎データベースを作成することが目的である。研究の成果としては,まず可能な限り過去に取得された衛星データを収集し,インドネシア沿岸域の状況及び衛星ASTERデータによる濁度推定の可能性について検討した。具体的には周辺水域の概略把握の意味で,Terra/ASTER(解像度30m)を使った水域の目視判読を試みた。ASTERデータが比較的新しい衛星データであるため,入手はジャカルタ周辺の2シーンに限られたが,それらの画像から沿岸域に伸びる河川の河口部には土壌流出や水田(又は養殖場)と考えられる土地被覆の様子を読み取ることができた。次にTOPEX/POSEIDONデータを用いて,ジャワ島南部と北部の水域における波高分布を把握した。その結果,ジャワ島の南部と北部では波浪環境が大きく異なることがわかり,水質も大きく異なると予想された。さらに,本年度は中分解能衛星のMODIS及び高解像度衛星であるTerra/ASTERデータを使ったクロロフィル・濁度推定の可能性についても検討した。当初予定していたインドネシアにおける実測は危険を伴うために行えなかったが,日本の沿岸(宍道湖・中海,広島湾)において検証実験を行った。その結果ASTERの近赤外波長のデータがASTERを使った濁度推定に有効であると考えられた。さらに,最近のインドネシア周辺海域における植物プランクトン分布の状況を把握するために,同海域の衛星海色センサのクロロフィル画像を,NASAのホームページから入手して,画像データベース化した。本研究によりインドネシア海域においてリモートセンシング分野で貢献できる水質評価のための手法,データが整ったと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 作野裕司: "多時期Landsat/TMデータを用いた宍道湖・中海のクロロフィルa濃度分布推定"海岸工学論文集. 50. 1011-1015 (2003)
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[Publications] 作野裕司: "ASTERデータを用いた宍道湖・中海の水温・濁度推定(2000〜2002年)"LAGUNA. 10. 65-72 (2003)
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[Publications] 作野裕司: "500m解像度のMODISデータを利用した広島湾のクロロフィルa濃度推定"日本リモートセンシング学会第35回学術講演会論文集. 257-258 (2003)
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[Publications] 山口大輔: "瀬戸内海の赤潮マッピングのためのMODISデータによるクロロフィル推定"日本リモートセンシング学会第35回学術講演会論文集. 305-306 (2003)
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[Publications] 津島邦之: "長期統計波浪データベース作成のためのTOPEX/POSEIDONの波高推定制度評価"日本リモートセンシング学会第35回学術講演会論文集. 301-302 (2003)
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[Publications] 飯島庸右: "TOPEX/POSEIODNによるインドネシア海域における長期波高・波周期の同時確率分布推定"日本リモートセンシング学会第35回学術講演会論文集. 301-302 (2003)