2002 Fiscal Year Annual Research Report
RNA干渉および多重発光マクロアレイを併用したダイズ脂質生合成遺伝子の網羅的解析
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14760005
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
穴井 豊昭 佐賀大学, 農学部, 助教授 (70261774)
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Keywords | ダイズ / 貯蔵脂質 / 脂肪酸不飽和化酵素 / RNA干渉 / マクロアレイ |
Research Abstract |
本年度は、植物においてRNA干渉(RNAi)を誘導するためのベクターシステムの開発とマクロアレイの作成に用いるcDNAクローンの収集を行った。 先ず、細胞中に導入した場合に最も高い効率でRNAiを誘導すると言われるヘアピン型の2本鎖RNAを生成し、かつ、大腸菌中での安定した複製を可能とするため、パリンドローム構造を持つ標的遺伝子断片のクローニングサイトの間にダイズGmFAD3-2遺伝子の第三イントロンを挿入したRNAi用のベクターを作成した。続いて、このベクターの有効性を確認するために、遺伝子導入が比較的容易なイネを用いて小胞体型ω-6脂肪酸不飽和化酵素遺伝子に対する効果について検討を行った。その結果、本ベクターが効果的にRNAiを誘導し、ほぼ完全に目的遺伝子の転写産物を消失させることが確認された。そこで、現在、本ベクターにダイズのジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼおよび小胞体型ω-3脂肪酸不飽和化酵素をコードするGmDGAT1およびGmFAD3-2遺伝子を組み込み、ダイズ不定胚に対し、パーティクルガンを用いて遺伝子導入を進めている。 また、ダイズ種子中の遺伝子発現パターンを網羅的に解析するための材料を得ることを目的として、二つの異なる登熟ステージ(直径5mm以下および直径7〜9mm)の種子からSMART法を用いてcDNAライブラリーを作成し、約1500クローンについて5'側から塩基配列の決定を行い、データベース中の塩基配列との相同性を検索することで重複するクローンを整理した。その結果、合計280個の独立したcDNAを含むクローンが何らかの既知遺伝子と相同性を示し、約300個の既知の遺伝子とは相同性を示さないcDNAを含むクローンも得られた。そこで、現在、このうち既知遺伝子と相同性が認められた280クローンについて、ナイロンメンブレン上にスポットし、マクロアレイの作成を進めている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Anai, M.Koga, H.Tanaka, T.Kinoshita, S.M.Rahman, Y.Takagi: "Improvement of rice (Oryza sativa L.) seed oil quality through introduction of a soybean microsomal omega-3 fatty acid desaturase gene"Plant Cell Rep.. (印刷中). (2003)
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[Publications] T.Anai, Y.Takagi: "Isolation and analysis of storage lipid biosynthesizing genes of soybean"Proceeding of Japan/Taiwan symposium on molecular biology of functional regulation in plant and microbe. 70-76 (2003)
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[Publications] S.M.Rahman, T.Anai, T.Kinoshita, Y.Takagi: "A novel germplasm with elevated saturated fatty acids"Crop Sci.. 43. 527-531 (2003)