2002 Fiscal Year Annual Research Report
完全甘ガキの自然脱渋性を支配する遺伝子の探索とその構造解析
Project/Area Number |
14760021
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
神崎 真哉 近畿大学, 農学部, 助手 (20330243)
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Keywords | 果樹 / カキ / 分子マーカー / 完全甘ガキ / 脱渋性 |
Research Abstract |
本研究は、これまでに同定している完全甘ガキの自然脱渋性を支配する遺伝子に連鎖している分子マーカーを足がかりとして、その周辺領域の遺伝子構成について調査し、カキのタンニン蓄積を制御する構造遺伝子に関する情報を得ることを目的としている。この分子マーカーは目的とする遺伝子と非常に密接に連鎖していると考えられるが、カキのゲノムに関する情報は少なく、また一つのマーカ一しか得られていない現状では、ポジショナルクローニング的手法を用いることは困難である。そこで、目的とする遺伝子の近隣に新規のマーカーを求めてRepresentational Difference Analysis(RDA)法を用いた解析を進めている。材料には、これまでの研究では利用されていない集団としてnon-PCNA品種である'会津身不知'由来の戻し交雑を用いた(この集団において、すでに同定されているマーカーと甘渋性の分離が完全に一致することが確認されている。)。この研究については現段階では有効な新規のマーカーは得られていない。一方、カキのゲノムライブラリーの構築も並行して進めている。ベクターにはコスミドベクターを用いて比較的大きな断片をクローン化することを目指している。現在、予備的なライブラリーを用いてスクリーニングを試験的に始めているところである。このように、本年度の研究はマーカーの探索とライブラリーの構築といった基礎的な実験にとどまっているが、今後はライブラリーの本格的なスクリーニングやトランスポゾン様配列の探索などを進め、多角的にマーカー周辺領域の遺伝子構造を明らかにする予定である。
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