2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14760039
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
樋口 恭子 東京農業大学, 応用生物科学部, 講師 (60339091)
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Keywords | 鉄含量 / 葉菜 / 三価鉄還元活性 / ニコチアナミン / 有機質肥料 |
Research Abstract |
7種の葉菜を鉄濃度を変えて水耕栽培し、地上部の3価鉄還元活性を、鉄含量が高い植物と低い植物で比較した。過剰の鉄による鉄含量の増加程度は種により異なった。主脈の3価鉄還元活性は鉄含量と相関がなかった。3価鉄還元活性はどの種でも鉄過剰により若干増加する傾向があり、また新葉より古葉で低かったがその程度は種により異なった。ホウレンソウは過剰の140μM EDTA-Fe^<3+>により生育が促進され、鉄含量が2倍以上に増加した。また3価鉄還元活性が高く、新葉に比べ古葉で活性が半分近くに減少していたという点で他の葉菜とは異なっていた。3価鉄還元活性が高い種の方が鉄含量の増加が期待できるが、鉄が蓄積する古葉で活性が高いと過剰害が出る可能性があると考えられた。(平成14年4月 日本土壌肥料学会年会発表) 高鉄含量コマツナを栽培するための施肥条件を検討するため、各種有機質肥料を検索した。栽培跡地土壌のpHを下げる傾向にある硫安に、ブドウ粕堆肥や牛糞堆肥を併用することにより可食部の鉄含量を増加させることが可能であった。ホウレンソウでも同じ肥料で鉄濃度増加が見られた。(平成14年9月 日本土壌肥料学会関東支部会発表、日本土壌肥料学会誌に投稿準備中) ニコチアナミンのin vitro合成系を用いて、市販の^<14>C-メチオニンから^<14>C-ニコチアナミンを合成しTLCにより精製した。今後、鉄とともに^<14>C-ニコチアナミンを植物に吸収させてトレーサー実験を行う予定である。 鉄の移行能力を高めることを目的として、ニコチアナミン合成酵素遺伝子と3価鉄還元酵素遺伝子を維管束で恒常的に高発現させるために融合させるプロモーターとして、維管束で恒常的に高発現する遺伝子AtXyn1のプロモーターを選定し、遺伝子導入用のベクターを構築中である。
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