2004 Fiscal Year Annual Research Report
酵母におけるD-アスパラギン酸に特異的な転写誘導機構の解明
Project/Area Number |
14760044
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
高橋 祥司 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (90324011)
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Keywords | 酵母 / Cryptococcus humicola / D-アスパラギン酸酸化酵素 / 発現制御 / 転写誘導 / D-アミノ酸代謝 |
Research Abstract |
酵母Cryptococcus humicola UJ1株における遊離D-アスパラギン酸(以下D-Asp)によるD-アスパラギン酸酸化酵素(以下ChDDO)の誘導発現機構を解明することにより、未知な生命現象である、D-Aspの立体構造に特異的な遺伝子転写誘導機構ならびに情報伝達機構を解明することを目的とする。 平成16年度は、ChDDO遺伝子プロモーターにおけるD-Asp特異的な転写誘導に必須な領域の解析を容易にするため、本酵母における自律複製型ベクターの構築を考え、本酵母のゲノムDNAからの自律複製配列(ARS)の単離を検討した。本酵母のゲノムDNAを制限酵素で切断した後、アガロースゲル電気泳動により分離し、1〜6kbpのDNA断片をゲルから回収した。回収したDNA断片を本酵母の染色体DNA組込み型ベクターに連結し、ARS単離のためのゲノムDNAライブラリーを構築した。構築したゲノムDNAライブラリーをエレクトロポレーションにより本酵母のウラシル栄養要求性変異株に導入し、ウラシル非栄養要求性となった株を選択培地により選別した。これらの株からプラスミドを大腸菌に回収することにより、本酵母細胞内で自律的に存在するベクターを選別した。さらにこの選別を2回繰り返して行い、高い形質転換効率を有するベクターを複数個得た。これら形質転換体のサザンブロット解析により、染色体DNAに組込まれず、自律的に細胞内に存在するベクターをさらに選抜した。選抜されたベクターの一つにはARSを有すると推測される4.2kbpのゲノム断片が存在していた。現在、当該DNA断片の欠失断片を用いてARS機能領域を限定している。
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