2002 Fiscal Year Annual Research Report
放線菌が生産するインドロカルバゾール化合物の生合成に関する研究
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14760052
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
尾仲 宏康 富山県立大学, 工学部・生物工学研究センター, 助手 (80315829)
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Keywords | staurosporine / rebeccamycin / Streptomyces / 二次代謝産物 / 生合成 / 遺伝子 / 放線菌 |
Research Abstract |
【目的】スタウロスポリン(Sta)は放線菌Streptomyces sp. TP-A0274が生産するインドロカルバゾール(IC)系抗生物質である。インドロカルバゾール化合物は放線菌が主に生産する化合物群であり、強力な生理活性機能を有する化合物が報告されているために、医薬品のリード骨格に期待される構造であるが、その生合成経路についての解析はほとんどなされていない状況である。そこで、Staの生合成遺伝子をクローニングし、その生合成経路を遺伝子工学的に明らかにすることを目指し、最初にSta生合成遺伝子をクローニングし、全塩基配列を決定した。 【方法及び結果】これまでに我々は同じIC化合物であるレベッカマイシン(Reb)の生合成遺伝子のクローニングを行い、生合成経路の同定を行っている。Reb生合成経路において、トリプトファン誘導体二分子をカップリングしCCAを合成する酵素遺伝子、rebDのホモログはIC生産放線菌にのみ存在することも明らかにしている。そこで、TP-A0274株の染色体コスミドライブラリーを新規シャトルベクターpTOYAMAcos上に作成し、プローブとしてrebDを用いてSta生合成遺伝子をクローニングした。得られたクローンをStreptomyces lividansにおいて異種発現し、Staの生産を確認した後、ショットガンシークエンスによって全塩基配列を決定した。Sta生合成遺伝子クラスターは22kbにわたって14個の読みとり枠からなっていた。IC骨格形成に関与する遺伝子、staO,staD,staPはRebとの間でアミノ酸配列上55%という高い一致を示した。
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Research Products
(1 results)