2002 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム情報を利用した微生物還元によるキラルビルディングブロック合成
Project/Area Number |
14760053
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Research Institution | Fukui Prefectural University |
Principal Investigator |
和田 大 福井県立大学, 生物資源学部, 助手 (00301416)
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Keywords | 酵素 / 不斉還元 / ゲノム情報 / 酵母 |
Research Abstract |
S.cerevisiaeからのenoneレダクターゼの精製とコードする遺伝子の同定 S.cerevisiaeからketoisophoroneを還元してlevodioneを与える酵素enoneレダクターゼを陰イオン交換、疎水相互作用などの各種クロマトグラフによって完全精製した。精製酵素を部位特異的タンパク質分解酵素で切断し、各ペプチド断片を高速液体クロマトグラフを用いて単離・精製した。得られたフラグメントのアミノ酸配列をプロテインシーケンサを用いて解析した。その結果、S.cerevisiaeのenoneレダクターゼはOld Yellow Enzyme 2(OYE2)であることが明らかになった。この情報をもとにS.cerevisiaeのゲノムデータベースから、本二重結合還元酵素をコードする遺伝子の同定を行い、本遺伝子がOYE2であることを明らかにした。 Enoneレダクターゼの大腸菌中での発現 S.cerevisiaeのゲノムDNAをテンプレートにしてPCR法によってOYE2遺伝子を増幅した。この増幅断片を大腸菌中でtacプロモーターの制御下で各種の遺伝子発現が可能なベクターpKK223-3に連結した。DNAシーケンシングでPCRによるミスマッチ変異などが無いことを確認した後、本酵素の大腸菌中での発現を行った。培養条件を検討したところ、本酵素はカザミノ酸を添加した最少培地中、30℃で培養した場合に良好に発現することが明らかとなった。これら検討の結果、本酵素遺伝子の効率的発現条件を決定できた。またS.cerevisiaeのゲノム上にはOYE2のホモログであるOYE3遺伝子も存在する。このOYE3遺伝子も同様にして大腸菌中で発現させたが、ketoisophoroneを還元する活性は低い物であった。したがって、OYE2がketoisophoroneの還元に適していることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)