2002 Fiscal Year Annual Research Report
摂食調節ペプチド:エンテロスタチンの新機能の解析と食品への利用
Project/Area Number |
14760082
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
竹中 康之 京都大学, 農学研究科, 助手 (20273518)
|
Keywords | enterostatin / corticosterone / anti-analgesic activity / hypocholesterolemic activity / β-conglycinin |
Research Abstract |
エンテロスタチン(VPDPR)はprocolipaseがトリプシンによりcolipaseに変換される際にそのN末端から遊離する5残基のペプチドである。VPDPRは高脂肪食の摂取を選択的に抑制することが知られている。 我々はVPDPRがμ-オピオイドであるモルヒネの鎮痛作用を有意に抑制することを見い出している。本研究ではVPDPRがμ-レセプターに親和性を示さないことから、その抗鎮痛作用は、μ-レセプター上での拮抗によるものではないことを示した。VPDPRによる摂食抑制作用と抗鎮痛作用の構造-活性相関が異なることから、両作用が異なるメカニズムを介することを示唆した。さらに、この抗鎮痛作用がグルココルチコイドレセプターアンタゴニストにより阻害されること、副腎摘出によりその抗鎮痛作用が消失すること、およびコルチコステロン投与により抗鎮痛作用が見られることを見い出し、本作用には副腎から放出されたコルチコステロンが関与していることを明らかにした。 また、我々はVPDPRが経口投与により高コレステロール・コール酸食投与マウスに対して血清コレステロール低下作用を有することを既に見い出している。本研究では、VPDPRのC末端3残基に相当するペプチド:DPRがVPDPRよりも強力な血清コレステロール低下作用を有することを見い出した。本ペプチドをβ-conglycinin α'サブユニット中に存在する3ケ所の類似配列(EPR, DYRおよびDPI)に導入し、大腸菌で発現させることによって得られた改変タンパク質をトリプシン処理したところ、39%の収率でDPRが派生することが分かった。マウスでのコレステロール低下作用にDPRの用量(50mg/kg)からみると、本ペプチドのみによるコレステロール低下作用を期待するには不十分だと考えられるが、大豆タンパク質が有するとされているコレステロール低下作用との相乗効果が期待できる。
|
-
[Publications] Y.Takenaka, F.Nakamura, H.Usui, M.Yoshikawa: "Anti-analgesic activity of enterostatin (VPDPR) is mediated by corticosterone"Peptides. (印刷中).