2002 Fiscal Year Annual Research Report
多局在性GAPDHの細胞内輸送機構と新規機能の解明
Project/Area Number |
14760085
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
山地 亮一 大阪府立大学, 農学生命科学研究科, 講師 (00244666)
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Keywords | GAPDH / リン酸化 / 顆粒画分 / RanBPM |
Research Abstract |
細胞質で解糖系酵素としてエネルギー産生に機能するGAPDHは、核と顆粒画分にも局在し、解糖系以外の機能を持つ可能性がある。生命活動を維持するため、タンパク質は適切な場所で適切な機能を発揮しなくてはならないが、GAPDHの顆粒画分における詳細な局在は不明である。そこで免疫蛍光顕微鏡法を用いてGAPDHの局在を検討したところ、GAPDHは細胞質全体に局在し、核周囲に多く分布していたが、小胞体、シスゴルジ体、トランスゴルジ体、ミトコンドリア、核膜、リソソーム、ミトコンドリアには局在していなかった。またGAPDHの細胞質-核-顆粒画分間における細胞内輸送機構も不明である。そこで今回、細胞質-顆粒画分間におけるGAPDHの細胞内輸送機構にタンパク質の翻訳後修飾の一つであるリン酸化が関与するかを検討するため、脱リン酸化阻害剤の存在下で細胞分画したところ、GAPDHタンパク質量は顆粒画分で低下し、細胞質画分で増加した。また細胞質画分と顆粒画分を脱リン酸化阻害剤の存在下でin vitroで反応させたところ、顆粒画分GAPDHが細胞質画分に遊離した。これは顆粒画分だけを脱リン酸化阻害剤と反応させても観察された。これらの結果から、顆粒画分から細胞質画分へのGAPDHの遊離にはリン酸化が関与しており、細胞質画分の因子は必要無く、顆粒画分の因子が必要であることが示唆された。さらにGAPDHの新規機能に関する情報を得るため、酵母Two-hybrid法を用いてGAPDHと細胞内で相互作用するタンパク質を検索した。単離された35個のクローンのうち、23個が様々な大きさではあるが、RanBPMの断片を発現していた。現在、組み換え体RanBPMを作製し、in vitroの系でGAPDHと相互作用するかを検討している。
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