2002 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア外CoenzymeQの還元機構とその生理的存在意義の解明
Project/Area Number |
14760091
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Principal Investigator |
高橋 隆幸 神戸学院大学, 薬学部, 助手 (40216726)
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Keywords | coenzyme Q / ubiquinone / ubiquinol / oxidoreductase / DT-diaphorase / lipoamide dehydrogenase / purification / rat liver |
Research Abstract |
以前より、ラット肝臓細胞質にNADPHの存在下、Coenzyme Q_<10>(CoQ_<10>)を還元する酵素(NADPH-CoQ reductase)が存在することを見出していたので、この酵素の精製を試みた。Wistar系雄性ラット(8週齢)の肝細胞質を出発材料として、アフィニティークロマトグラフィー(HiTrap-Heparin)、陰イオン交換クロマトグラフィー(Mono-Q)、2回のゲルろ過クロマトグラフィー(Sephacryl S-200およびSuperose 12)で、NADPH-CoQ reductaseを約2,100倍に部分精製し、分子量約37,000(ゲルろ過。SDS-PAGEで約40kDa)の蛋白質を得た。この部分精製酵素は至適温度、至適pH、基質に対するKm、Vmax値がクルードな状態(細胞質)での酵素活性とほぼ一致することから、目的の酵素蛋白質であると結論付けた。この酵素の分子量は、既に報告されているCoQ_<10>還元酵素(DT-diaphorase : MW.55,000、Lipoamide dehydrogenase : MW.112,000)と異なるだけでなく、DT-daphorase阻害剤(Dicumarol)やLipoamide dehydrogenaseによるCoQ_<10>還元活性促進剤(ZnCl_2)に対する感受性も全く異なることから、新規のCoQ_<10>還元酵素である可能性が示唆された。さらに、この酵素によるCoQ_<10>還元のTurover numberは、他のCoQ_<10>還元酵素の25〜100倍も高いことから、このNADPH-CoQ reductaseがミトコンドリア外のCoQ還元に中心的役割を果たしていると考えられた。現在、この酵素蛋白質を同定すべく、一次構造の解析準備中である。
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