2002 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯造林樹種の根系の分岐条件と植栽に適した根系の誘導
Project/Area Number |
14760096
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
益守 眞也 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (50282702)
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Keywords | フタバガキ / 根系の形態 / 育苗用土 / Dryobalanops lanceorata |
Research Abstract |
インドネシアにおいて,Dryobalanops lanceolataの挿木苗を幾つかの異なる用土を用いて育苗した。炭化した籾殻を用土に加えることにより,根の分岐が促される傾向がみられたが,光などの育苗条件が好適でなかったようで,成長が遅く育苗中の用土の劣化も少なかった。そのため当初期待されたような結果を十分に得ることができなかった。現地の事情から供試できる樹種数が限られてしまったため,当年度は種間差を見いだすことは困難であった。しかしながら,植物体を通して出ていく土壌の水分量,即ち蒸散量を重量法により現地でも簡便に測る仕組みを確立した。これによって今後分岐量の異なる根系をもつ苗が仕立てた後に,植え替え後の根の吸水機能の回復過程を把握することができ,根系の形態と機能の関係を明らかにすることができる。 当初の計画ではインドネシアから苗を持ち帰り国内での実験にも供試するつもりであったが,彼国の情勢の変化により苗の輸出が困難となったため,国内では日本産の樹種を用いて土壌条件と根系の形態との関係を明らかにすることにした。現在,新たな実験系の設定をおこなっている。
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