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2002 Fiscal Year Annual Research Report

水中鳴音を指標とした鯨類の個体群判別

Research Project

Project/Area Number 14760125
Research InstitutionTokiwa University

Principal Investigator

中原 史生  常磐大学, コミュニティ振興学部, 講師 (10326811)

Keywordsクジラ / イルカ / 鳴音 / 個体群 / 個体群判別 / 音声コミュニケーション
Research Abstract

小型ハクジラ類における鳴音の個体群変異を明らかにすることを目的として、千葉県銚子市沖、和歌山県勝浦市沖、沖縄県慶良間列島周辺海域において鳴音調査を行った。今年度は天候に恵まれず、十分な調査を行うことはできなかったが、これまでに蓄積してきたデータと合わせて、コビレゴンドウを対象として研究を行った。
日本近海に生息するコビレゴンドウには2つの地方型があることが知られている。北方型のタッパナガと南方型のマゴンドウでは分布が異なり、形態的、生態的、遺伝的にも差異があることから、両型の鳴音には違いがあることが予想される。
解析には、北海道室蘭市沖、岩手県三陸沖において収録した北方型個体群と、東京都小笠原諸島父島沿岸、沖縄県八重山列島鳩間島沿岸、沖縄県慶良間列島渡名喜島沿岸において収録した南方型の鳴音を用いた。ホイッスル、コールという2種類の鳴音について、音響解析ソフトCanary、数値解析ソフトMATLABを使用して持続時間、周波数、側帯波間隔を測定し、個体群間の比較を行った。統計解析には、StatViewおよびSYSTATを用いた。
結果は以下の通りである。鳴音の種類としては、北方型ではコール、南方型ではホイッスルの発声頻度が高かった。ホイッスルについては持続時間、周波数ともに大きな差異はみられなかったが、コールについては持続時間、要素数、側帯波間隔の周波数範囲に顕著な差がみられた。南方型に比べて北方型では持続時間が長く、要素数が多く、側帯波間隔の周波数範囲が広い傾向がうかがえ、より複雑な鳴音を発していることがわかった。コールのレパートリー数も北方型では豊富であった。判別分析の結果、70%の正答率で判別が可能であった。また、室蘭沖では複数年にわたって同じタイプのコールが観察されたことから、コールの型は少なくとも二年間は変わらず、個体群を特徴づけるものである可能性が示唆された。

  • Research Products

    (2 results)

All Other

All Publications (2 results)

  • [Publications] Fumio Nakahara: "Social functions of cetacean acoustic communication"Fisheries Science. (In press). (2003)

  • [Publications] 村山司: "イルカ・クジラ学 イルカとクジラの謎に挑む"東海大学出版会. 265 (2002)

URL: 

Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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