2002 Fiscal Year Annual Research Report
消費者の米の選択行動における感覚的属性に関する経済評価
Project/Area Number |
14760148
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
上岡 美保 東京農業大学, 国際食料情報学部, 助手 (90339094)
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Keywords | 米 / 消費者 / 購買行動 / 味 / 感覚的属性 / 試食 |
Research Abstract |
本研究は、消費者が米を購入する要因として、食味を米の一つの属性として考え、アンケート調査の際、被験者に実際に米を試食してもらうことで、感覚的属性を考慮した上での消費者の米購買行動について明らかにすることが目的である。 研究初年度である14年度は、本調査への前段階として予備的な調査を行った。アンケート調査は、平成14年11月1日〜3日の3日間で、東京農業大学収穫祭(学園祭)の来訪者に対し、対面式の調査を行った。アンケートの調査項目は、米購入に関する質問、4つの属性(産地、品種、栽培方法、価格)を提示した3種類の米についてどれを選択するかという質問、3種類の米を試食後、それぞれについて味を評価してもらうとともに、どれを選択するかという質問、米を購入する際に重視する要件について評価する質問、最後に被験者の属性についての質問である。 アンケート調査の結果、181の回答を得た。まず、米を購入する際に重視する要件として、23項目について5段階評価してもらった結果、全体での平均値が高かった上位5位までのものは、「国内産米であること」が平均値4.3で最も高く、次いで「一度食べて美味しかったもの」が4.0、「新米かどうか」が3,8、「普段食べ慣れているもの」3.7、「精米年月日」3.7であった。このように消費者は、国内産米であることを強く支持し、それ以外は食味に関係する項目について高く評価している。また、試食の前後で選択した米の種類を比較してみると、46.3%の人で試食後選択した米に変化がみられた。変化が見られた人の中でも、試食前より安価な米を選んだのは20.3%、それに対して試食前に比較して試食後値段が高い米を選択した人は52.7%であった。このことからも、消費者にとって価格面よりもむしろ米の食味という感覚的属性が購入の重要条件になっていることが示唆される。
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