2003 Fiscal Year Annual Research Report
高品質コンポスト製造と環境負荷低減とを目的とした微生物反応生成物の制御
Project/Area Number |
14760162
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
前田 武己 岩手大学, 農学部, 助手 (40333760)
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Keywords | コンポスト化 / 高品質化 / 環境負荷 / 微生物反応生成物 / 生菌数 / 窒素成分 / アンモニア揮散 / 肥効 |
Research Abstract |
新たに有機性窒素含有量が極めて少ない人工コンポスト試料を開発し,これを用いてコンポスト内部に蓄積される微生物反応生成物についての検討を再度行った。微生物生菌数は細菌,放線菌,糸状菌についてそれぞれ中温性と高温性とに区別し,計6分類について測定した。 コンポスト試料の微生物はコンポスト化開始直後の増加が大きく,試料温度が65℃に達した後の増加は少なかった。また,中温性および高温性の細菌が微生物数全体の90%以上を占め,放線菌と糸状菌の占有率は低かった。また,コンポスト化日数が長くなるほど高温性細菌の割合が高くなった。全生菌数はコンポスト湿潤試料1g当たり10^7〜10^8CFUの範囲であった。 有機性窒素は開始時の試料では0.12〜0.14mgN・g^<-1>であったが,コンポスト化開始直後の試料温度上昇期に急激に増加した。有機性窒素は試料温度が65℃に達した直後では0.63〜0.77mgN・g^<-1>,7日間のコンポスト化後では1.02〜1.20mgN・g^<-1>程度まで増加した。コンポスト試料の有機性窒素は,生菌数が多い試料ほど多くなったが,コンポスト試料の1CFU当たりの有機性窒素量は試料温度上昇期では多く,コンポスト化期間が長くなると少なくなった。以上の結果より,コンポスト化開始直後は菌体増殖が活発であるが,それ以上に酵素などが主と推測される菌体以外の生成物の生成が多いことが予想される。従って,コンポストの微生物生菌数から菌体総量を推定することは可能であるが,菌体以外の生成物量の推定についての検討が必要となる。
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