2002 Fiscal Year Annual Research Report
コリプレッサーskiおよびsno遺伝子産物の生理機能
Project/Area Number |
14760195
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
品川 敏恵 理化学研究所, 分子遺伝学研究室, 基礎科学特別研究員 (70344041)
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Keywords | コリプレッサー / Ski / Gli3 / 形態形成 |
Research Abstract |
skiは、ニワトリのレトロウイルスが持つ発癌遺伝子として発見され、それと相同性を持つ遺伝子としてsno (ski-related novel gene)が同定された。Ski/Sno蛋白の機能は長い間不明であったが、最近私共の研究室でSki/Snoは共に転写コリプレッサーN-CoR/SMRTとmSin3Aに直接結合し、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)との複合体として核内ホルモン受容体などのリプレッサーによる転写抑制を仲介していることが明らかにされた。また、Skiに直接結合する因子としてGreig cephalopolysyndactyly syndromeの原因遺伝子産物Gli3も見いだされた。Gli3は転写の抑制と活性化の両方に関与する転写因子で、肢芽の前方では蛋白のプロセシングを受けて抑制型となる。一方、肢芽の後方ではShhシグナルによりGli3のプロセシングが阻害され、Gli1などの標的遺伝子の転写を活性化する。skiやGli3の変異マウスでは過剰指の形成やexencephalyが見られるので、分子・細胞レベルでの結果を元に、本研究ではノックアウトマウスを用いて、過剰指形成のメカニズムの解析を行った。 まずGli3による転写抑制にSkiが関与しているかどうか調べたところ、ski欠損胎仔線維芽細胞ではGli3による転写抑制が阻害されることが分かった。SkiとGli3の遺伝学的関連を調べるためski^-/+マウスとGli3^<XtJ>/+マウスの交配を行ったところ、Gli3^<XtJ>/+;ski^-/+マウスではGli3^<XtJ>/+マウスよりも多くの過剰指が形成された。指のパターン形成に重要な遺伝子の発現を調べたところ、Gli3の標的遺伝子であるGli1の発現が肢芽の前方で異所性に発現していた。これらの事から、Skiは形態形成に重要な役割を果たしていることが明かとなった。
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Research Products
(1 results)