2002 Fiscal Year Annual Research Report
自家不和合性を示すアブラナ類の優劣性決定機構の解明
Project/Area Number |
14760218
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
柴 博史 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (20294283)
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Keywords | 自家不和合性 / 優劣性 / S-locus protein 11 (SP11) / class-I / class-II / Brassica rapa |
Research Abstract |
アブラナ科植物の自家不和合性では100以上もの3ハプロタイプが存在すると言われているが、その中には2つのハプロタイプ間で優劣の関係が生じる場合がある。これまでの研究で花粉の優劣性では劣性を示すSハプロタイプ(class-II)の花粉側S決定因子SP11が優性を示すSハプロタイプ(class-I)とのヘテロ体でその発現が抑制され、その結果、優劣性が決まることを明らかにしてきたが、どのようにしてclass-II SP11の発現が抑制されるのか不明である。本研究ではclass-II SP11の発現抑制機構の解明を目的としている。 1.class-II SP11の転写抑制機構の解析 SP11の転写抑制がDNAメチル化等のゲノムの構造変化を伴うものであるかどうか調べるため、劣性ホモあるいは優性/劣性ヘテロ体の葉、花弁、柱頭、成熟花粉および葯組織からゲノムDNAを抽出し、class-II SP11のプロモーターおよび構造遺伝子領域のメチル化の有無をbisulfate法で調べた。その結果、劣性ホモあるいは優性/劣性ヘテロの各組織におけるCpGメチル化は観察されなかった。しかし局所的なメチル化の可能性も考えられるため、SP11の発現がみられる葯タペート組織のみを回収して同様の実験を進めている。 2.形質転換植物によるClass-II SP11の転写抑制が花粉側の優劣性を決定しているかどうかの検証 class-I SP11プロモーターにclass-II SP11をつなげたコンストラクトおよびclass-II SP11プロモーターにclass-I SP11をつなげたコンストラクトを作成し、アブラナ科植物に導入している。現在、複数の形質転換体が得られており、開花次第、形質の変化を観察する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hiroshi Shiba: "The Dominance of Alleles Controlling Self-Incompatibility in Brassica Pollen Is Regulated at the RNA Level"Plant Cell. 14・2. 491-504 (2002)
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[Publications] Hiroshi Shiba: "Genomic organization of the S locus region of the Brassica"Biosci. Biotech. Biochem.. 67・3. 622-626 (2003)
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[Publications] Kakizaki: "Linear dominant recessive relationship among four class-II S haplotypes in pollen is determined by the expression of SP11 in Brassica self-incompatibility"Plant Cell Physiol.. 44. 70-75 (2003)