2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14770008
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
森川 俊一 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (70339000)
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Keywords | 血管新生 / 周皮細胞 / 血管内皮細胞 / 腫瘍血管 / 創傷治癒 / 共焦点レーザー顕微鏡 / 多重免疫染色 / BrdU |
Research Abstract |
腫瘍および創傷治癒過程に伴う血管新生の周皮細胞の機能的関連性の解析を行った。 (1)新生血管内皮細胞発芽部に付随する周皮細胞の実証 周皮細胞は血管内皮細胞が発芽して新生血管を形成して後、血管壁を安定かつ成熟させるために導入されるというととがこれまでの定説であった。今回我々はマウス創傷モデルを材料に種々の血管内皮および周皮細胞マーカーとBrdU染色との多重免疫染色を行い、観察された増殖像を呈する内皮細胞のほぼ全てに既に周皮細胞が付随している事を明らかにした。このことは、血管新生初期において周皮細胞が血管内皮細胞の発芽に積極的な役割を果たす事を強く示唆するものである。現在、創傷モデルでの成果の国際誌への投稿準備をするとともに、腫瘍モデルでも同様の検索を続行している。 (2)血管増殖因子VEGFと周皮細胞の関連性の検討 (1)に関連して、血管内皮細胞の発芽に関する周皮細胞の機能的役割の詳細を明らかにするため、現在我々は特に血管増殖因子VEGFに注目し、腫瘍や創傷モデルを材料に免疫組織化学とin situ hybridizationを行っている。因子の局在および遺伝子発現の場と周皮細胞との関係について、共焦点顕微鏡による三次元的な、また透過型電子顕微鏡による微細構造的な観察を組み合わせ解析を続行中である。 3)腫瘍血管基底膜と周皮細胞の三次元的関連の把握 IV型コラーゲン、ラミニン、ファイブロネクチン等の血管基底膜成分に対するマーカーと、血管内皮および周皮細胞マーカーとの多重免疫染色を行い、共焦点顕微鏡を用いて、腫瘍新生血管内皮細胞の発芽部がそれに付随する周皮細胞とともに基底膜に全体として覆われることを三次元的に明らかにした。周皮細胞が基底膜成分の産生能を持つとする報告を考えあわせると、周皮細胞が基底膜を産生しつつ腫瘍新生血管を導く可能性が示唆された。American Journal of Pathology誌において成果発表を行った。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Morikawa et al.: "Abnormalities of basement membrane on blood vessels and endothelial sprouts in tumors."Am.J.Pathol.. 163(5). 1801-1815 (2003)
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[Publications] T.Nakazawa et al.: "Production of polyglonal antibodies against perivascular macrophages (Mato's FGP cells) isolated from rat brain microvessels."Acta Histohem.Cytochem.. 36(2). 173-178 (2003)
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[Publications] 江崎太一 ら: "炎症局所におけるリンパ管および微小循環系の形態的・機能的変化"総合研究所紀要. 23. 7-8 (2003)
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[Publications] 森川俊一 ら: "トマトレクチンを用いた血管三次元イメージング法"生体の科学. 55(3)(掲載予定).
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[Publications] T.Ezaki et al.: "Characterization of adjuvant-induced rat lymphangiomas as model to study the lymph drainage from abdominal cavity."Jap.J.Lymphology. (in press). (2004)