2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14770009
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
向後 晶子 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (20340242)
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Keywords | 腎臓 / 上皮 / DLG / 発生 |
Research Abstract |
(1)上皮細胞におけるDLGとAPCの相関関係を探るため、イヌ腎臓由来の上皮細胞株MDCK細胞における両タンパク質の細胞内局在を検討した。極性を形成しない培養条件では、細胞の突起部先端にAPCタンパク質が局在し、そこでDLGと共存していることが明らかになった。これまでに、APCとDLGの共存は極性化した上皮細胞の側壁部で観察されていたが、上皮細胞突起部分での両者の共局在は知られていなかった。このAPC,DLGの共局在について、細胞骨格への依存性および形態的な相関関係を解析した。その結果、APCの集積、局在化にDLGが関与することを支持する観察結果が得られた。DLGは足場蛋白質としての構造をもちながらも、脊椎動物においては上皮細胞での具体的な機能が示されていない。今回の結果は、このDLG蛋白質が、APCの膜近傍での局在に関わっている可能性を示唆するものとして大変興味深い。現在、この結果を投稿中である。 (2)DLG遺伝子KOマウスを用いて腎臓発生におけるDLG分子の機能を解析するため、胎児期の腎臓(後腎)の組織培養系を確立し、培養系における尿管芽の伸長、分岐を確認した。この系で、発生時上皮細胞層の形態形成を再現し、野生型マウスとの比較を行うことで、DLG蛋白質の機能を詳細に解析することができる。 (3)哺乳類のDLGは、DLG subfamilyと呼ばれる類縁遺伝子群の一員である。これらのsubfamily遺伝子産物もまた、DLGと同様、足場蛋白質としての構造をもっていることから、DLGと協同して上皮細胞の分化過程を担っている可能性がある。この可能性を検証するため、現在これらDLG subfamily遺伝子群が発生中の後腎における詳細な発現パターンを解析中である。
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Research Products
(1 results)