2003 Fiscal Year Annual Research Report
容積感受性塩素イオンチャネルの分子同定及びその制御機構の解明
Project/Area Number |
14770020
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Research Institution | Foundation for Advancement of International Science |
Principal Investigator |
赤塚 結子 財団法人国際科学振興財団, 研究開発部, 専任研究員 (90321611)
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Keywords | 容積感受性Cl^-チャネル / 細胞骨格 |
Research Abstract |
容積感受性Cl^-電流は細胞の体積が正常であるときには全く見られず、細胞が低張浸透圧下で膨張した時にのみ観察され、その開口機構には細胞骨格の関与が示唆されている。報告者は、容積感受性Cl^-チャネルが低浸透圧刺激を受けて細胞骨格系と相互作用して開口した際には、細胞膜から溶出されにくくなるのではないかと考えた。そこで、容積感受性Cl^-電流が非常によく観察される、ヒト小腸由来の培養細胞であるIntestin407細胞を用いて、正常浸透圧下にある細胞と低浸透圧刺激を受けた細胞から膜画分を取り、界面活性剤に対する溶解度が異なる蛋白質があるかどうかを調べた。その結果、低浸透圧刺激を加えた細胞から抽出した膜画分中に特異的に見られる蛋白質Aを見出し、その内部アミノ酸配列を解析し、同定した。 この蛋白質Aは細胞骨格と結合することがすでに報告されていたため、次のステップとして、低浸透圧刺激を受けた細胞の膜画分の中から蛋白質Aに結合する蛋白質を生化学的手法で検索し、質量分析によってこの結合蛋白質Bを同定した。蛋白質Aと結合蛋白質Bを、ヒト由来の培養細胞であるHEK293T細胞に強制発現させて免疫染色を行った結果、両者が細胞内でも共局在することが確かめられた。 現在、結合蛋白質BをHEK293T細胞に強制発現させて、容積感受性Cl^-電流に何らかの変化が現れるかどうかを電気生理学的に検討している。
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