2004 Fiscal Year Annual Research Report
容積感受性塩素イオンチャネルの分子同定及びその制御機構の解明
Project/Area Number |
14770020
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
赤塚 結子 三重大学, 医学部, 助手 (90321611)
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Keywords | Cl^-チャネル / ABCF2 / アクチニン-4 / 細胞容積調節 |
Research Abstract |
細胞外及び細胞内の浸透圧変化に対応して自らの容積を一定に保とうとする働きは、動物細胞が生命を維持する上で必要不可欠な機能であるが、最近ではこの容積調節の破綻が細胞死につながることが明らかとなっており、細胞がいかに自らの容積をセンスし対応するかという点に注目が集まっている。細胞が一旦膨張した状態から元の体積に戻る調節性容積減少の過程は、細胞内の蛋白質による情報伝達を介して、最終的には細胞内からのK^+とCl^-流出が駆動力となって細胞内の水が細胞外に流出することによって達成される。特にこの場合のCl^-の通り道であるチャネルは細胞の容積上昇を感知して開口するために容積感受性Cl^-チャネル(VSOR)と名づけられているが、最近では容積調節だけでなくアポトーシスにも深く関わっていることがわかってきている。VSORの分子実体はいまだ不明であるが、VSOR及びVSOR制御因子の分子同定によって細胞の容積調節やアポトーシスのメカニズムについてさらに多くの情報が得られることが期待される。 現在までに報告者らは、VSORの調節蛋白質としてATP-binding cassette (ABC)蛋白質スーパーファミリーに属するABCF2を同定しているが、ABCF2がVSORの電流を抑制することと、ABCF2の発現によってRVDの遅延が起こることを明らかにしている。さらに、ABCF2がアクチン結合蛋白質であるアクチニン-4と結合することも見出しており、アクチン-アクチニン-4-ABCF2が相互作用し容積センサーとして働くことが明らかとなった(投稿準備中)。本共同研究によって細胞の容積調節機構が分子レベルで明らかになりつつあり、VSORを含めて、細胞の容積調節を司る全蛋白質が同定されその相互作用を明らかにすることで、細胞の容積調節機構に関する総合的な理解が深まることが期待される。
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