2003 Fiscal Year Annual Research Report
低線量中性子線による発がんに関する実験病理学的研究(ガンマ線との比較実験)
Project/Area Number |
14770105
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Research Institution | National Institute of Radiological Sciences |
Principal Investigator |
大町 康 独立行政法人放射線医学総合研究所, 放射線安全研究センター低線量生体影響プロジェクト第1チーム, 研究員 (20344062)
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Keywords | 中性子線 / マウス / 白血病 / 発がん / 病理組織 / 分子病理 / 固形腫瘍 / 生物学的効果比 |
Research Abstract |
サイクロトロン発生平均エネルギー10MeV中性子線(0.05〜2),または^<137>Csガンマ線(0.2〜4Gy)を照射したC3H/He系雄性マウス(各群157〜262匹)について症状観察を継続中で、瀕死状態の動物および死亡例について病理解剖を行い病理解析を進めた。H16年1月末時点で照射626〜931日経過し、死亡率(うち白血病症例)は対照群:41.5(1.2)%に対し、中性子線群:44.9〜86.7%(1.6〜10.1%)、ガンマ線群:39.6〜79.5%(0.8〜10.9%)であった。病理解剖では血液学的検査(血液塗沫、血球数)、臓器重量測定を行い、白血病症例についてはその脾臓からFACS解析、染色体解析、免疫染色、遺伝子解析用にサンプル調整を行った。中性子線ならびにガンマ線照射群で発生している白血病には赤芽球性、骨髄芽球性、骨髄球性、リンパ球性白血病が確認されている。白血病は早いものでは照射300日後よりみられ、ガンマ線群では600〜700日前後をピークとするベル型の発現パターンを示した。一方、中性子群では400日後以降800日以降までだらだらと発現するパターンを示し、線質による白血病発現機序の差が示唆された。白血病症例脾臓のFACS解析(リンパ球;Thy1.2、CD3、B220、sIgM,骨髄芽球・単球;Gr1、Mac1、赤芽球;TER、造血幹細胞;c-kit、Sca1)を開始し、血液像、病理組織像と細胞学的見地からの白血病の細分類を比較検討中。また、白血病細胞における2番染色体欠損解析のために、FISH法を立ち上げ、ガンマ線群、中性子群それぞれ10例についての解析を予定。なお、中間結果を第12回国際放射線研究会議ICRR(2003年8月)で発表した。
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