2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14770148
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
神山 順 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (20257538)
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Keywords | 活性型ビタミンD_3 / p27 / NF-YA / 遺伝子調節化学予防 |
Research Abstract |
活性型ビタミンD_3は魚類や、茸類に多く含まれ、大腸癌、乳癌、前立腺癌など欧米に多く日本に少ない悪性腫瘍に対して、抑制的に働き、骨髄芽球細胞などに対しては分化を促進すると一般的に考えられており、これらの癌の治療や予防への可能性が注目されている。そこで、このビタミンD_3が我々の提唱する遺伝子調節化学予防の効果的な薬剤になりうると考え、その標的遺伝子について、検討を行ってきた。これまでに我々はサイクリン依存性キナーゼ阻害剤であるp27がこのビタミンD_3により転写因子Sp1とNF-Yを介してプロモーターレベルで、活性化されることを報告したが、その際NF-Yのサブユニットの一つであるNF-YAが長型から短型に量的なシフトをおこす現象を確認していた。今年度はその機構に着目し、以下の解析を行った。 1)NF-YAの長型と短型によるp27プロモーターの活性化の違いを検討し、その結果、短型の方がより強力にp27プロモーターを活性化した。 2)NF-YAの長型と短型はスプライシングの違いにより形成されるが、短型は長型のうち26番目から53番目のアミノ酸が欠失したものである。そこでNF-YAの様々な欠失変異体を作製しp27プロモーターの活性化を検討したところ、どの部分を欠失してもp27プロモーターを強力に活性化した。 以上のことよりp27プロモーターの活性化はNF-YAの長型より短型がより強力に起こすこと、またその違いである約28アミノ酸がp27プロモーターの活性化には抑制的に働くドメインを形成していると考えられた。来年度はさらにビタミンD_3がスプライシングの違いを引き起こすメカニズムや、このドメインに会合する因子を確定して、よりp27プロモーターを活性化する方法を開発したいと考えている。
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Research Products
(1 results)