2002 Fiscal Year Annual Research Report
電磁場の脳腫瘍誘発性に関する研究-神経系細胞(アストロサイト)への影響-
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14770152
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
宮越 雄一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00343533)
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Keywords | 電磁場 / アストロサイト / 変異原性 / 小核試験 / シスプラチン |
Research Abstract |
研究の目的 近年、磁場(定常磁場と変動磁場)を発生する機器(MRI、携帯電話、一般の家庭電気製品など)の開発に伴い、職場や日常生活環境において磁場に曝露される機会が増えてきている。一方、電磁場曝露により脳腫瘍、白血病、悪性黒色腫の発症率が増加するという疫学調査結果が報告されているが、未だにその真偽は明かにされていない。 本申請者は、電磁場曝露が脳腫瘍発生に与える影響について、新生仔ラットアストロサイトを用いたin vivo小核試験にて染色体異常誘発性を評価した。 研究実績 方法 3日齢のSD系雄性ラットにcisplatinを1回腹腔内投与後、周波数50Hz・10mTの電磁場を曝露し、電磁場曝露のtime studyとCDDPのdose-response studyを行った。電磁場曝露終了後、全脳を摘出し、トリプシン、DNaseにて処理後、5%FBS加MEM培養液中にて96時間培養した。標本作製方法は,細胞を固定後,抗glial fibrrllary acid protein (GFAP)抗体とacridine orangeの二重染色を施行し,アストロサイトの同定と小核の確認を同時に行った。標本観察には蛍光顕微鏡を用いて,小核を有するアストロサイトの頻度を‰で表した。 結果及び考察 電磁場曝露単独では有意な小核頻度の増加は認められなかった。電磁場とcisplatinの複合曝露でのtime studyでは、72時間曝露で小核頻度が最も高かった。また72時間曝露でのciplatinのdose-response studyでは、用量依存的に溶媒対照と比較して4.7倍の有意な小核頻度の増加を示し、cisplatin曝露単独と比較して複合曝露では1.9倍の有意な小核頻度の増加を示した。 今後は電磁場曝露条件(周波数、強度、曝露時間など)、種々の変異原物質との複合曝露について検討していく予定である。
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[Publications] 宮越雄一, 鈴木勇司, 清水英佑: "電磁場曝露の脳腫瘍誘発生の検討-in vivo新生仔ラットアストロサイト小核試験を用いて-"産業衛生学雑誌第75回日本産業衛生学会講演集(神戸). 44・臨時増刊号. 613 (2002)
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[Publications] Yuichi Miyakoshi, Yuji Suzuki Hidesuke Shimizu: "Enhancement of mutagenic activity of cisplatin by co-exposure to 50 Hz electromagnetic fields"10^<th> International Conference on the Combined Effects of Environmental Factors (ICCEF), Takatsuki, Osaka, Japan. 88 (2002)
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[Publications] 宮越雄一, 鈴木勇司, 清水英佑: "電磁場曝露によるラットアストロサイトの小核誘発生の検討"日本環境変異原学会第31回大会(東京)プログラム・要旨集. 58 (2002)