2004 Fiscal Year Annual Research Report
アセトアルデヒド脱水素酵素欠損マウスを用いた行動・神経毒性の遺伝子発現変化の解析
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14770154
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
一瀬 豊日 産業医科大学, 医学部, 助手 (80341494)
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Keywords | アセトアルデヒド / アルデヒド脱水素酵素2 / アルコール嗜好性 / エタノール / 遺伝子多型 / マイクロアレイ法 / 遺伝子発現 / 視床下部 |
Research Abstract |
(1)エタノール強制経口投与後の臓器中エタノールおよびアセトアルデヒド濃度測定 Aldh2-/-マウスおよびAldh2+/+マウスに0.1,0.5,1.0,2.0および5.0g/kg体重の20%エタノールを経口投与し、1時間後の血液中のエタノールおよびアセトアルデヒド濃度を各群6匹について測定した。エタノール濃度に有意な差は認められなかったが、Aldh2-/-マウスの臓器中アセトアルデヒド濃度は3-30倍の高値を示した。(学術誌投稿中) (2)アセトアルデヒド2週間連続吸入曝露したマウス視床下部のマイクロアレイ解析 われわれは既にAldh2-/-マウスがAldh2+/+マウスに比べエタノールを好まないことを報告している。エタノール嗜好性を低下させる内因性の機序を解明するためマイクロアレイ解析を実施した。エタノール投与による食餌状態の変化を避け、エタノールによる毒性とアセトアルデヒドによる毒性の別を区別するために、2週間連続アセトアルデヒド500ppm吸入曝露を実施した。この結果、Aldh-/-マウスおよびAldh2+/+マウスに血中アセトアルデヒド濃度数マイクロモルの状態を得ることが出来た。これは慢性アルコール中毒患者における血中アセトアルデヒド濃度に等しい。この慢性アルコール中毒状態の血中アセトアルデヒド濃度にあるときのAldh2-/-マウスおよびAldh2+/+マウスの視床下部を用いて、遺伝子発現の網羅的解析をマイクロアレイ法を実施した。この結果、アセトアルデヒド曝露に関係なくAldh2-/-マウスとAldh2+/+マウスで発現が異なる遺伝子、アセトアルデヒド曝露によりAldh2-/-マウスとAldh2+/+マウスで発現が異なってくる遺伝子の候補を見出した。現在データ解析中であり、定量PCR法で追実験を実施している。
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