2003 Fiscal Year Annual Research Report
アルデヒド脱水素酵素2欠損マウスにおけるアルコール投与後肝薬物代謝酵素活性の解析
Project/Area Number |
14770155
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Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
松本 明子 佐賀大学, 医学部, 助手 (10330979)
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Keywords | ALDH2 / ノックアウトマウス / アルコール / 肝障害 / 酸化ストレス / 遺伝子多型 / CYP2E1 / サイトカイン |
Research Abstract |
[背景]エタノールの代謝に重要なアルデヒド脱水素酵素2(ALDH2)遺伝子には多型が存在し,変異型保有者では飲酒時のフラッシング,動悸など不快な症状が出現する。アルコール性肝障害については,従来,ALDH2遺伝子多型を増悪因子のひとつとする見方が主であったが,機序については不明な点が多く,相反する報告がなされることもあり,一致した見解が得られていないのが現状である。 [目的]ALDH2遺伝子多型がアルコール性肝障害や薬物耐酵素の誘導に与える影響を検討するため,ALDH2多型の動物モデルであるAldh2ノックアウトマウス(Aldh2(-/-)マウス)を用い,酸化ストレス指標や肝逸脱酵素活性,Cyp(シトクロムP450)2e1発現量等を比較検討する。 [方法]10、11週齢のAldh2(-/-)マウスと,野生型マウス(C57BL/6), Aldh2(+/-)マウスにエタノール5g/KgBWを経口・腹腔投与し、経時的に肝組織・血清を採取、肝組織内MDA量・血清ALT活性・Cyp2e1mRNA, TNFαmRNA発現量等を測定した。また肝病理所見を検討した。 [結果及び考察]ALDH2遺伝子多型によってMEOS系の活性化,酸化ストレス,肝細胞壊死の程度に差が生じるという仮説に基づき解析を行ってきたが,エタノール投与後12時間で野生型マウスのMDA量がAldh2KOマウスのものより高値を示すなど,いずれの検討においてもAldh2KOマウスで肝障害が増強されない,もしくは緩和される可能性が示唆された。これは従来の見方と異なり興味深い結果と思われる。
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