2002 Fiscal Year Annual Research Report
歯科医師を対象とした歯の健康と全身の健康・栄養との関連に関する疫学研究
Project/Area Number |
14770166
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
若井 建志 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (50270989)
|
Keywords | 歯周病 / 歯牙喪失 / 口腔衛生 / 歯科医師 / コホート研究 / 喫煙 / 高血圧 |
Research Abstract |
歯の健康が全身の健康を増進することを示すため、自記式問診票によってもかなり正確な口腔衛生状態のデータが得られる歯科医師を対象にしたコホート研究を計画した。 今年度からの調査対象者は4府県(京都、岐阜、三重、静岡)の歯科医師会会員4,854人である。べースライン調査は自記式問診票を歯科医師会を通じて配付・回収することにより実施した。収集する情報は、性・年齢、既往歴・家族歴、口腔衛生状態(喪失歯数、歯周の状態など)、生活習慣(とくに食習慣)、心理要因などである。対象者の追跡には、あらかじめ同意を得た上で、歯科医師共済制度で把握される疾病罹患・死亡状況を利用する。 ベースライン調査が終了した京都府歯科医師会での回答者は488人(回答率38.2%)で、年齢不詳を除く475人(平均年齢±標準偏差53.4±13.1歳、女性22人)を分析対象者とした。平均喪失歯数(男性)は50-54歳で1.5歯、60-64歳で2.1歯、70-74歳で9.3歯、歯周病(歯石沈着または4mm以上の歯周ポケット)を持つ者の割合(男性)は50-54最で36.7%、60-64歳で36.8%で、いずれも一般住民(平成11年歯科疾患実態調査)より良好であった。一般住民(平成12年国民栄養調査)と比較した、男性歯科医師の身体状況や生活習慣の特性として、1)高血圧者、喫煙者が少ない、2)肥満者、朝食欠食者は多い、が挙げられた。歯周病と関連した要因(P<0.10)は、喫煙、低いブラッシング頻度、低い精神的健康度、激しい運動をしないであり、歯牙喪失(5歯以上)と関連する要因は喫煙、高血圧であった。 岐阜、三重、静岡の3県についてはベースライン調査を継続中であり、愛知(昨年度実施)および京都を含めると、2003年2月現在、約3,900人の回答が得られている。
|