2002 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者相互によるIT技術指導・習得支援プログラム試行とひきこもり高齢者への応用
Project/Area Number |
14770173
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
横尾 美智代 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (00336158)
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Keywords | 若年高齢者 / 高齢者とIT / デジタル・デバイド / 退職者によるボランティア活動 / ひきこもり高齢者 / 高齢者向けの情報技術学習 / 高齢者相互によるIT技術支援 |
Research Abstract |
本年度前半期は高齢初心者のためのIT習得支援プログラムの開発に重点をおいた。特に利用機会の少ない高齢初心者がパソコン等のIT技術に積極的関心を持つために必要な特徴を検討した。結果、高齢者は、日常生活での利用度が低い、必然的スキルではない、習得技術力に個人差が激しい、男性高齢者に関心が高いことなどが明らかになった。以上のことから、高齢者特有の「必然性」と「利便性」さらに「娯楽性」のあるプログラムの開発こそが、積極的参加促進に不可欠であるとの結論を得た。そこで現在高齢者のニーズを重視したプログラムの試行をモニター(高齢者数名)に依頼している。 また、本県には『シニアネット長崎』というネットサークルがあり、指導者、受講者ともに50歳以上が会員で、現在70名程で活動している。筆者が試行しているプログラムと『シニアネット長崎』の各種教室は類似点が多くみられた。それは高齢者にとって必然性の高い行事(暑中見舞い、絵手紙、名刺作成、年賀状、住所録等)を、パソコンを用いることによって「利便性」を実感し、「必然性」を高め、新たな「娯楽性」を提供することで、初心高齢者の積極的参加を促進するという考え方である。そこで筆者は、筆者個人の研究に加えて、『シニアネット長崎』も研究対象としている。この件については『シニアネット長崎』の代表者である長崎総合科学大学横山正人教授および世話役より許可を受けている。 筆者の現在の活動は1)オリジナルプログラムの試行、2)『シニアネット長崎』のVTRによる定点収録と参与観察の実施と分析である。ひきこもり高齢者へのパソコン利用は、65歳の独居女性高齢者(パソコン初心者)を対象に実施中であり、更に数名の協力が期待されている。インターネットの利用や電子メールの交換が引きこもり高齢者にどのような影響を与えるかについて研究することも来年度の課題である。
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