2002 Fiscal Year Annual Research Report
歩数を身体活動量の客観的指標として使用するための指針作成に関する研究
Project/Area Number |
14770185
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
小田切 優子 東京医科大学, 医学部, 講師 (90276907)
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Keywords | 身体活動度 / 装着時間 / メモリー機能付加速度計 / エネルギー消費量 |
Research Abstract |
歩数は、身体活動量の客観的指標として広く用いられている。しかし、その計測値は装着している時間内の活動量に依存するため、覚醒している間の装着時間の占める割合(装着率)により評価結果にバイアスが生じる可能性がある。メモリー機能付き加速度計を使用して、装着時間、歩数、エネルギー消費量の検討を行うことにより、疫学研究において歩数を身体活動量の指標として評価できる装着状況について検討することを目的とした。 対象は、地域で開催した健康教室の参加者90名とし、メモリー機能つき加速度計の装着を連続して1週間行うよう依頼した。加速度計は、装着の動機付けが高まることが無いよう、歩数およびエネルギー消費量の表示を隠して使用した。同時に、活動記録の記載を依頼し、24時間中の覚醒している時間や1日のエネルギー消費量を評価した。その結果、対象者の加速度計の平均装着時間は15時間22分であり、装着時間が長いほど歩数が多い傾向があった。活動記録による一日の総エネルギー消費量と、加速度計によるエネルギー消費量との関連を検討したところ、装着時間が12時間以上のデータで有意な相関がみられた。しかし、12時間未満の装着データは全データの9%をしめたため、これを身体活動度の評価に際して無効とすべきか否かについては、さらなる検討が必要と考えられた。対象者の身体活動に対する関心の程度により、加速度計の装着状況は異なるため、対象者の特性を考慮した評価指針の作成の必要性が考えられた。 次年度は、異なる地域や職域において、さらに加速度計の装着データを収集し、あわせて加速度計のデータを補完するために有効な簡便な問診票の作成にも着手する予定である。
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