2004 Fiscal Year Annual Research Report
歩数を身体活動量の客観的指標として使用するための指針作成に関する研究
Project/Area Number |
14770185
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
小田切 優子 東京医科大学, 医学部, 講師 (90276907)
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Keywords | 歩数 / 身体活動度 / エネルギー消費量 / 装着時間 / メモリー機能付加速度計 |
Research Abstract |
【目的】歩数は、疫学研究において身体活動量の客観的指標として用いられているが、その値は装着時間に依存するため、装着時間によってバイアスが生じている可能性がある。そこで、地域および職域の様々な集団を対象に、装着時刻を記憶できるメモリー機能付歩数計を用いてデータを収集し、歩数を客観的指標として使用するための要件について検討することを目的とした。 【方法】地域における肥満・高脂血症改善教室の参加者、車京都内某区の住民健診の受診者、都内に本社を持つ某企業の全国9つの事業場より無作為抽出された労働者、東京都および北海道の某大学職員を対象に、起床から就寝まで、連続7日〜10日間、メモリー付加速度計の装着を依頼し、計261名からデータを収集した。また、加速度計の装着脱時刻と装着時間中にはずしていた時間の記録を毎日行うことを依頼した。さらに、一部の対象者には24時間生活活動記録の記載を依頼し、エネルギー消費量の評価を行った。【結果】装着の記録を参照し、有効な歩数データは1909件であった。対象集団毎の平均の歩数は7740〜9688歩、装着時間の平均は14時間22分〜15時間22分であった。一装着時間と歩数には有意な正の相関があり、装着時間が長いほど歩数が多いことを確認した。装着時間は12時間以上が91.7%を占め、かつ加速度計と活動記録によるそれぞれのエネルギー消費量の問に有意な正相関があった(r=0.04,p<0.001)。通常の生活では、平日12時間以上装着していれば、歩数はほぼ身体活動量を反映していると考えられた。また、装着記録とメモリー付加速度計の記録による装着時間には有意な正相関があり(r=0.006,p<0.001)、メモリー機能のない歩数計では、着脱記録を依頼することでデータの有効性検討の資料を得られると考えられた。本研究の対象者は研究に対して同意が得られた集団であり動機付けが高かった点で限界があり、装着時間の指針の妥当性にっいてはさらなる検討が必要である。
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