Research Abstract |
1.外傷性ショックモデル 材料及び方法:8週齢のBALB/cマウスの両側後肢の基部を輪ゴムで2時間緊縛したのち再潅流し,外傷性ショックモデルを作成した.緊縛解放後の生存率は,12時間で約34%,48時間で約6%であった.ALTは,緊縛解放直後では各々有意な上昇は認められなかったが,緊縛解放後2時間よりより有意に上昇していた.病理組織学的には肺及び肝臓で著明なうっ血と好中球浸潤が観察され,各臓器のMPO活性は,緊縛解放後2時間より有意に上昇していた.一方,肺及び肝臓におけるIL-1β,TNFα,MCP-1,MIP-1α,MIP-2,KC, VCAM-1の各遺伝子発現レベルは,いずれも緊縛解放直後では有意な増加は認められなかったが,緊縛解放後2時間でピークに達し,緊縛前の発現レベルより顕著に増加していた.以上から,緊縛性ショックの病態に,これらサイトカイン,ケモカイン及び接着因子の関与が示唆された. 2.アセトアミノフェン中毒モデル 材料及び方法:8週齢のBALB/cマウスに750mg/kgのアセトアミノフェンを腹腔内投与し,中毒モデルを作成した.アセトアミノフェン投与後6時間よりALT値は有意に上昇し,24時間以内に約50%のマウスが死亡した.病理組織学的に,長命な出血と小葉中心性の肝細胞壊死を認めた.肝臓におけるIL-1β,TNFα,MCP-1,MIP-1α,MIP-2,KC, VCAM-1の各遺伝子発現レベルは,投与後10及び24時間で顕著に増加していた。以上から,アセトアミノフェン中毒の病態に,これらサイトカイン,ケモカイン及び接着因子の関与が示唆された.
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