2004 Fiscal Year Annual Research Report
骨髄間葉系幹細胞から心筋細胞への分化過程におけるDNA脱メチル化の意義の解明
Project/Area Number |
14770334
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
岡部 輝雄 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60255445)
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Keywords | 骨髄間葉系幹細胞 / 心筋再生 |
Research Abstract |
昨年度我々は、骨髄間葉系幹細胞から確立したcell lineであるCMG(cardiomyogenic)細胞を分化誘導前に1週間を培養し、RNAを採取してDNAチップにより解析を行った。また、一部の細胞では脱メチル化剤である5アザシチジンによる分化誘導を行い分化誘導後3日、7日の時点でRNAを採取しDNAチップによる解析を行った。心臓特異的転写因子であるNkx2.5、MEF2C、GATA4の遺伝子の増加が見られたため、これらの遺伝子を用いて発現ベクターを作成した。これらの発現ベクターを5アザシチジンにより分化誘導をかける前のCMG細胞にトランスフェクションして分化誘導が可能か試みたが、心筋細胞へと分化した細胞は認められなかった。よって骨髄細胞から心筋細胞への分化機序にはより上流の遺伝子の活性化が必要であると考えた。 昨年度の結果をうけ、我々は、DNAチップの解析結果より既存の心筋細胞分化に関与する転写因子以外の遺伝子の解析をEST(expression sequence tag)から試みた。ESTの解析結果をインターネットのgenebankのデータベースを参照して比較検討し、特異的なモチーフを持つ転写因子を中心に解析をすすめたが、残念ながら有望な心筋特異的遺伝子は発見できなかった。これらの結果から、骨髄間葉系幹細胞からの心筋細胞への分化誘導には、既知の転写因子を含め、ある特定の遺伝子のみによって心筋細胞へと分化するマスター遺伝子の関与はなく、複数の遺伝子が互いに影響をおよぼしあい、心筋細胞へと分化する系が考えられ、今後のさらなる解析が必要であると考えられた。
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