2003 Fiscal Year Annual Research Report
早期産児胆汁うっ滞における尿中胆汁酸組成の発達的推移
Project/Area Number |
14770380
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
大和 靖彦 久留米大学, 医学部, 助手 (80289438)
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Keywords | 早期産児 / 尿中胆汁酸 / 胆汁鬱滞 / acidic pathway GC-MS |
Research Abstract |
在胎37週以下の早期産児の生後日数の経過と尿中総胆汁酸値の変化と生後日数の経過と総胆汁酸中のΔ5-3β-o1・CA-1β-o1・CDCA-1β-o1のパーセンテージの分析を行った。正期産児の尿中胆汁酸濃度は生まれてから7生日まで増加し,その後徐々に減少していく。しかしながらこの早期産児で認められたことは,正期産児とは異なっており,生後1ヶ月の間,早期産児の尿中胆汁酸濃度は生後日数とともに増加した(p<0.0001)。この発見から,早期産児の少なくとも生後1ヶ月は,胆汁酸代謝や輸送の未熟がありそして特に肝臓の胆汁酸クリアランスが低いことが続いている可能性が示唆された。 正期産児の尿中胆汁酸中のCA-1β-o1・CDCA-1β-o1のパーセンテージに関して,その比率は生まれてから7生日まで増加しその後徐々に減少する。しかしながら,早期産児においてこれらの比率は生まれてから生後1ヶ月の間徐々に減少する。特にCDCA-1β-o1は著明でみる(p<0.05)。それゆえ早期産児において1β-水酸作酵素の活性は生後徐々に減少している可能性がある。早期産児において総胆汁酸中のΔ5-3β-o1の割合は生後1ヶ月の間ほとんど変化していなかった。それでacidic pathwayは生後早い時期に活発であり,特に早期産児において活発である可能性がある。SetchellらやSchwarzらは,新生児期では7α-水酸化胆汁酸生合成の代わりの主なルートとして,acidic pathwayが存在することを示唆している。
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