2002 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫性皮膚疾患発症におけるCD4陽性,CD8陽性T細胞サブセットの役割の解析
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14770382
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
芝木 晃彦 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助手 (40291231)
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Keywords | 自己免疫性疾患 / リンパ球 / トレランス / GVHD / トランスジェニックマウス / 国際情報交換 |
Research Abstract |
自己免疫性皮膚疾患の発症における、CD4陽性T細胞、CD8陽性T細胞それぞれの役割を解明することを目的に,チキンオブアルブミン(OVA)反応性T細胞レセプタートランスジェニック(Tg)マウスからCD8陽性T細胞を調整し、皮膚角化細胞の膜上にのみモデル抗原であるOVAを発現するK14-mOVA Tgマウスにトランスファーし、皮膚、二次リンパ組織における変化の解析を行った。 1.自己免疫性皮膚疾患発症におけるCD8陽性T細胞の役割についての検討 OVA反応性CD8陽性T細胞レセプターTgマウス(OT-1 Tgマウス)からCD8陽性T細胞を調整,蛍光標識した後,K14-mOVATgマウスの尾静脈から静注した。静注後、48時間後より著名な体重減少を認め,5日後には四肢末端の著明な腫脹が認められた.腫脹部の組織学は,真皮全層にわたる著明な浮腫と単核球の浸潤を認め,また所属リンパ節を採取し静注したT細胞を解析したところCD25,CD44等の活性化マーカーの発現が増強していた.静注14日後には70%まで体重が減少し,21日後には著明な脱毛と,組織学的に真皮膠原線維の増生がみられGVHD類似の皮膚病変と考えられた. 2.K14-mOVAxOT-1ダブルTgマウスにおける検討 自己反応性CD8陽性T胞の制御メカニズムを検討する目的で,OT-1 TgマウスとK14-mOVATgマウスを交配してダブルTgマウスを作成した.ダブルTgマウスはK14-mOVATgマウス同様特別なフェノタイプの発現を示さなかったが,OT-1由来CD8陽性T細胞を静注したところ,前述の実験でみられたGVHDを発症しなかった.このことからダブルTgマウスではGVHDの発症を抑制するメカニズムが存在するものと考えられた.今後はダブルTgマウスの各リンパ球分画解析し,自己免疫性皮膚疾患の発症を抑制するメカニズムを解明していく.
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