2003 Fiscal Year Annual Research Report
インターロイキン8による表皮角化細胞の増殖・遊走機序の解明
Project/Area Number |
14770415
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
松本 佳子 愛媛大学, 医学部附属病院, 助手 (50325388)
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Keywords | IL-8 / EGF receptor / HB-EGF / shedding / keratinocyte / migration |
Research Abstract |
本研究はインターロイキン8(IL-8)による表皮角化細胞の遊走・増殖機構を解明することである。とくにIL-8によるEGFレセプターの活性化機構にHB-EGFを中心としたEGFレセプターリガンドのshedding(膜型細胞成長因子が酵素により遊離型に変換される機構)がいかに関与しているかについての検討を行った。 表皮角化細胞を無血清培養にて培養し、リコンビナントIL-8を添加し、細胞がどの程度遊走するかについてBoyden chamber法を用いて検討したところ、0.3ng/mlの濃度で最大3倍の細胞遊走亢進が認められた。この濃度で細胞を刺激し、蛋白を回収し、EGFレセプターのリン酸化が起こっているかについて抗リン酸化EGFレセプター抗体を用いてウェスタンブロット法で検討した。IL-8を0.3ng/mlの濃度になるように培養液に添加後15分後にはEGFレセプターのリン酸化が認められた。次ぎにこのリン酸化がEGFレセプターリガンドのsheddingにより引き起こされている可能性を検討するため、あらかじめADAMインヒビター(EGFレセプターリガンドのsheddingを起こす酵素として知られている)で処理した後の細胞遊走能を検討したところ、約30%の抑制がみられた。さらに同様の実験をHB-EGF中和抗体、EGFレセプター中和抗体、CRM197(HB-EGF inhibitor),AG1478(EGFレセプターキナーゼインヒビター)でそれぞれ前処理した後の細胞遊走能を検討したところ、すべて約30%の抑制が認められた。以上の結果より、IL-8による細胞遊走の約30%はEGFレセプターの活性化により引き起こされ、そのほとんどは内因性の膜型HB-EGFが酵素により遊離することによるものであることが明かとなった。
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