2004 Fiscal Year Annual Research Report
FDG-PETとセンチネルリンパシンチによる乳癌縮小手術適応判定に関する研究
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14770459
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古賀 博文 九州大学, 大学病院, 助手 (90343318)
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Keywords | 乳癌 / センチネルリンパシンチ / FDG-PET |
Research Abstract |
本研究の目的は、乳癌縮小手術の適応判定に関する、FDG-PETとセンチネルリンパシンチの方法とそれぞれの役割を確立することにある。 まず50例にて、センチネルリンパシンチの至適実施方法を検討した。3種類の放射性医薬品(99mTc-Snコロイド、99mTc-HSAD、および99mTc-フチン酸)、投与法(乳輪下投与および腫瘍周囲投与)別でのリンパ節同定率を比較した。術中ガンマプローブによる同定率は全体で38/50(76%)であり、放射性医薬品別では、99mTc-Snコロイド:1/7(14%),99mTc-HSAD:9/12(75%),99mTc-フチン酸:28/31(90%)、投与部位別では、乳輪下投与群で、27/30(90%)、腫瘍周囲投与群で11/20(55%)であった。シンチグラムでの描出率も同様の傾向であった。以上より、99mTc-フチン酸を用い、乳輪下投与する方法が最も優れていると考えられた。 この方法にてセンチネルリンパシンチを実施し、最終病理診断とリンパ節生検・FDG-PETの結果を21例・22側(37-77才、平均54才)にて比較検討した。病理診断にて6側でリンパ節転移陽性であった。FDG-PETは、全症例で陰性であった。センチネルリンパ節生検では5側にて陽性であり、偽陰性だったのは、跳躍転移と考えられた1例のみであった。従って、感度・特異度・正診率は、FDG-PET:0%,100%,72%、センチネルリンパ節生検:83%、100%、95%であった。 結論として、FDG-PETは微小な腋窩リンパ節転移の検出は困難であり、陰性例でもセンチネルリンパ節生検を省略できないと考えられる。縮小手術適応を決定するためには、センチネルリンパ節を正確に同定することが必須であり、このためにはセンチネルリンパシンチの実施方法を適切に選択することが重要であると考えられた。
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