2002 Fiscal Year Annual Research Report
光感受性物質ヘマトポルフィリンを用いた不安定プラーク形成阻害
Project/Area Number |
14770479
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
町田 稔 日本医科大学, 医学部, 助手 (10318529)
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Keywords | ヘマトポルフィリン / 動脈硬化 / 交感受性物質 |
Research Abstract |
光感受性物質Hematoporphyrin(HP)は動脈硬化巣に選択的に集積し、病巣の進展と共に特異な蛍光スペクトル変化を示す。動脈硬化粥腫中ではphotoproductの特異吸収波長である650nmの吸光度が増加することから、HPに対する光感受性の増加が生じ、組織成分と作用すると予測し、bovine serum albumin(BSA)、phosphatidyl choline(PC) liposomeを用いて初期動脈硬化巣に対する光線力学的治療の可能性を検討した。1)BSAにコレステロール含有liposomeを加えて蛋白脂質複合体を作成しHPを添加後650nmのLEDパルスを1時間照射し、HPと複合体の凝集状態を白色光を用いた散乱分光、680nm半導体レーザーを用いた干渉分光のデータ収録、高感度CCDを用いた撮像、観察を行い、更に二次元フーリエ解析により蛋白脂質複合体の変化を解析した。2)溶媒環境を酸性条件でHPの膜透過の測定を1)と同様に行い、HP複合体によるタンパク脂質複合体の凝集と会合、解離を検討した。特異吸光波長をパルスで照射すると散乱分光で新たなピークが出現し、蛋白脂質複合体の会合状態の変化が示唆された。HPは陽イオン界面活性剤のプレミセル条件で、動脈硬化病巣と類似の蛍光波長ピークを示す。また、蛋白脂質複合体条件で吸光度が増加した。粥腫中に存在する蛋白脂質複合体はHP添加後の光照射により結合状態に解離が生じ、新たに発生するPhotosignalが光情報伝達系を介して蓄積脂質の解消やプラークの安定化に寄与する事が示唆された。
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