2002 Fiscal Year Annual Research Report
癌の早期診断と治療を目指したVEGFRチロシンキナーゼ活性診断用放射性薬剤の開発
Project/Area Number |
14770484
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
平田 雅彦 大阪薬科大学, 薬学部, 助手 (00268301)
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Keywords | 癌 / 血管新生 / 放射性医薬品 / SPECT / VEGF / チロシンキナーゼ / 放射性ヨウ素 |
Research Abstract |
チロシンキナーゼは細胞の分化、増殖のシグナル伝達の開始に重要な役割を果たしており、特に癌に於いてその活性上昇が認められている。血管成長因子(vasocular endotherial growth factor)レセプターチロシンキナーゼ(VEGFR-TK)は血管新生に関わる重要な役割を果たしており、癌ならびに虚血性疾患に置いて、異常な発現、活性上昇が確認されており、その阻害剤が抗癌剤として開発されつつある。申請者は、VEGFR-TKに親和性を有する選択的阻害剤に着目し、その放射性ヨウ素誘導体が癌イメージングならびに治療を目的とした低分子の放射性薬剤になりうると考えた。 本年度の研究では、構造活性相関に基づき、VEGFR-TK阻害活性を有する数種の新規キナゾリンのヨウ素誘導体のドラッグデザインとその合成を行った。これらの誘導体は、3-エトキシ-4-ヒドロキシベンズアルデヒドを出発原料とし、水酸基のベンジル保護を行い、次いでニトロ化、アルデヒド基を酸化し、さらに、ニトロ基のアミノ基への還元を行った。続いて、環状化反応でキナゾリンとした後、フェノキシ基を導入した。脱ベンジル保護し、各種置換基を導入することで、目的物である数種のキナゾリンヨウ素誘導体得ることに成功した。今後、合成したこれらの化合物についてインビトロにおけるVEGFR-TK阻害活性を測定する。次いで、放射性ヨウ素標識化合物を合成し、インビトロ、インビボの双方でSPECT用癌イメージング薬剤としての可能性について検討する予定である。
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