2002 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質における言語記憶想起に関わる神経活動の電流源検索に関する研究
Project/Area Number |
14770490
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
関根 篤 秋田大学, 医学部, 助手 (80311570)
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Keywords | 単語再認 / 単語再生 / 脳磁図 / MEG |
Research Abstract |
貯蔵された記憶、特に人の言語(単語)記憶における単語の再認、再生に関連する大脳皮質の神経系内に生じた一連の変化が、どのような情報処理過程に応じて反映されているかを同定するために、脳磁図を用いて検索することが本研究の目的である。平成14年度は、初めに刺激パラダイムの作成とその設定を行った。既存のソフトウエアを利用し、平仮名で書かれた具体的な単語(例えば、さる、いぬなど)が1語ずつ書かれた刺激画面を計12画面作成し、その内の3画面を目標刺激、9画面を非目標刺激と設定した。標準刺激として特別な意味を持たないスクランブル画面も作成した。視覚刺激の呈示時間は0.5秒とし、刺激間隔は2秒とした。刺激は目標刺激を30%、非目標刺激を60%、標準刺激を10%としランダムに呈示した(尚、刺激の設定と解析には既存のソフトウエアと本研究で申請したBIMITUS II を利用した)。被験者には実験に先立ち3つの目標刺激を呈示し、声を出して読ませて記憶させ、その後に記憶が固定されたことを確認する。さらに、目標刺激が呈示された場合に利き手の人さし指で赤外線フィルターに反応させるように指示し、目標刺激、非目標刺激、標準刺激のそれぞれをトリガーとし、目標刺激において30回の誘発脳磁図を求めた。実験は既存のMEG装置(Neuromag System)を用いて電気的、磁気的にシールドされた実験室で行い、刺激は既存のプロジェクターから呈示した。本年度は健康被験者1名に対して行ったものの、被験者がごく少数であったため現在のところ明瞭な誘発脳磁界を検出することはできていない。平成15年度にはさらに健康被験者を増やし誘発脳磁界を同定する予定である。さらに何らかの記憶障害をもつ被験者(特に軽度の痴呆症やうつ病などで仮性痴呆を有するもの)における記録も行い、健康被験者の成績と比較検討する予定である。
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