2003 Fiscal Year Annual Research Report
幼小時期ストレスの違いが成長後の摂餌関連ストレス反応行動に及ぼす影響
Project/Area Number |
14770512
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
岩崎 進一 大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (70326263)
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Keywords | 母子分離 / rebound hyperphagia / ラット / 制限給餌 / ストレス |
Research Abstract |
妊娠後期のWistarラットを購入して出産させた後、その仔ラットを1日6時間の母仔分離を3週間加える群とこれを加えない群に分け飼育した。22日齢時に仔ラットの離乳を行い、性別と母仔分離の有無により分け、各ラットを個別のケージ入れ9週齢まで摂餌と水分摂取を自由に行わせた。9週齢時に不安行動の指標とされているPlus-mazeテストを施行した。Plus-mazeテスト解析ソフト解析用コンピュータを用い、ラットの位置を決定し、各ラットのopen arm、closed armの進入回数、滞在時間を測定し、全arm滞在時間、進入回数中のopen armへの進入回数、滞在時間の割合を算出した。その結果、母仔分離を受けたラットは、これを受けていないラットに比し、Plus-mazeテストにみられる不安がすくない傾向を示したが、個体間のばらつき大きく統計的有意に至らなかった。次に1日6時間の母仔分離ストレスを3週間与え、9週齢目から1日2時間の制限給餌を1週間施行した。その後自由摂餌に戻した時に閉所ストレスを加え、その時生じた反跳性過食状態における線条体ドパミンとセロトニンとその代謝産物を測定した。その結果母仔分離ストレス群は対照郡に比し、反跳性過食状態におけるドパミン放出量が増加していた。これらのことから母仔分離は飢餓状態からの摂餌開始による運動、認知機能に関連するといわれる線条体のドパミン動態を変化させ、反跳性過食時の行動変化を引き起こしていることが示唆された。
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