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2002 Fiscal Year Annual Research Report

奈良県橿原市の不登校生徒にみられる「引きこもり」症例の臨床的研究

Research Project

Project/Area Number 14770513
Research InstitutionNara Medical University

Principal Investigator

根來 秀樹  奈良県立医科大学, 医学部, 助手 (80336867)

Keywords引きこもり / 不登校 / 社会恐怖 / 児童思春期外来
Research Abstract

1.はじめに 奈良県橿原市内の中学に通う生徒のうち、年間50日以上欠席した生徒を対象とし、本研究においては引きこもりを「一年以上の閉居」と定義し、閉居は「一週に二回未満の外出」としたが、研究者が奈良県立医科大学付属病院精神科でおこなっている児童思春期外来を訪れる患者のなかでこのような定義に当てはまる症例が少なくない。そこで奈良県の引きこもりの現状を調査する前に上記に当てはまる症例の検討を行った。
2.対象と症例 2001年4月1日より2002年3月31日までに奈良県立医科大学付属病院精神科に新患として訪れた患者1019人を対象とした。そのうち引きこもりを主訴に来院した患者は10人(0.98%)で、そのうち7人が社会恐怖と診断された。代表的な症例をあげる。[症例]19歳。男性。引きこもりを主訴に来院。いじめをきっかけに中学3年生より不登校が始まり、高校3年生まで年間100日程度の欠席をしながらも、何とか卒業する。登校以外はまったく外出しない。よく知らない人達の前で注視を浴びるかもしれないから外出できないという。Liebowits Social Anxiety Scale日本語版(LSAS-J)76点と高得点であり、社会恐怖と診断しマレイン酸フルボキサミン投与し、2ヶ月でLSAS-J41点と改善し外出もできるようになった。
3.考察 上記のように引きこもり症例のなかに、ある一定の割合で精神疾患が含まれていると予想される。精神疾患が見逃されていて、引きこもりが長期化する症例もあると考えられるため、不登校の段階の早期に精神科受診させるシステムが必要である。今回の調査では外来受診患者のみを対象としているため引きこもりの現状を把握するのに不十分である。よって来年度以降今回の検討を参考に質問紙を作成し、より広範囲に引きこもりのバックグラウンドを明らかにさせたい。

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Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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