2002 Fiscal Year Annual Research Report
不安調節機構におけるニューロステロイド及び不安関連神経ペプチドの役割の解析
Project/Area Number |
14770519
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
小田切 あすか 日本医科大学, 医学部, 助手 (50343588)
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Keywords | Urocortin II / Urocortin III / 免疫組織化学 / 視床下部 / 室傍核 / ストレス調節 |
Research Abstract |
近年corticotropin-releasing factor(CRF)の2型受容体の選択的な内因性のリガンドとしてurocortin II(Ucn II)、urocortin III(Ucn III)が単離・同定された。現在までUcn II様免疫活性の脳内局在については報告がされていない。今回我々は家兎にて作製した抗Ucn II抗体を用いてUcn II様免疫活性の局在について検討した。視床下部視索上核、室傍核、弓状核においてUcn II陽性細胞が認められ、既報のin situ hybridization法によるmRNAの局在と一致した。Ucn II陽性細胞を特定するために、Ucn IIとCRF、AVPの二重染色を行った。視索上核、室傍核においてはUcn IIとAVPとが共存する神経細胞を多数認め、室傍核小細胞領域においてはCRFとUcn IIとの共存を少数認めた。さらにUcn IIIに対する抗体も家兎にて作成し脳内の局在について免疫組織化学的に検討した。既報の通りUcn III陽性細胞は吻側脳弓周囲野、分界状床核後部、扁桃体内側核に局在し、腹内側核に陽性繊維が存在した。二重染色により室傍核のUcn II陽性細胞に吻側脳弓周囲野のUcn III陽性細胞から繊維の投射が認められ、Ucn IIIニューロンがUcn IIニューロンの機能を修飾している可能性が示唆された。室傍核はストレス反応に重要な視床下部神経核の一つであり、室傍核およびその近傍にUcb IIとUcn III陽性細胞が存在し、UcnII陽生細胞とストレス関連ペプチドであるCRFおよびAVPが共存することからストレス調節機構にUcn II、Ucn IIIが関与していることが推測される。
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