2002 Fiscal Year Annual Research Report
間葉系幹細胞による造血器腫瘍発症機序の解明と治療法の開発
Project/Area Number |
14770536
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
金城 謙太郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90317115)
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 造血器腫瘍 |
Research Abstract |
平成14年度に行われた当課題の実績として、間葉系幹細胞を探求することを主眼において、マウス、ヒト骨髄より、Hoechst染色法により、染色が染まらないside population(SP)細胞分画と細胞表面マーカーを用いて付着能、細胞分化能を解析し、間葉系幹細胞と考えられる細胞群を見出すことに成功した。既知の細胞表面抗原を用いて、SP細胞群に高頻度で存在する細胞群と、間葉系幹細胞が存在すると考えられる汎血球マーカーCD45陰性細胞群に高頻度で存在する細胞群をcell sorterで分画し、シャーレ上に付着する細胞群を見出した。また、それぞれの分画につき間葉系細胞へ分化することを、細胞特異的培養液で培養し、確認した。その細胞表面抗原を用いて、造血器腫瘍、特に抗癌剤に不応であり、骨髄間質細胞の関連が証明されている難治性かつ、骨髄移植の成績も芳しくない多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、悪性リンパ腫についてその細胞群の存在を確認し、その細胞群の機能をマウス骨髄移植モデルを用いて解析する予定である。また、正常ヒト骨髄造血幹細胞と、造血器腫瘍由来の間葉系幹細胞を同時に移植することで、造血能について異常を認めるか否かを解析する。これらの実験により、間葉系幹細胞を移植し、造血をサポートする治療法の開発を目指した基礎データを構築する予定である。また、造血器腫瘍において間葉系幹細胞が減少することと、造血異常につき患者骨髄サンプルを用いて解析する。さらに、間葉系幹細胞に対する自己抗体が造血器腫瘍に存在する可能性につき、解析し、その抗体を見出すことで、新規治療法の開発を目指す。
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