2003 Fiscal Year Annual Research Report
白血病における新規の補助刺激分子B7-H1、B7-H2、B7-H3の発現と機能
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14770542
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
田村 秀人 日本医科大学, 医学部, 助手 (70256949)
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Keywords | 補助刺激分子 / B7 family / 白血病 |
Research Abstract |
多種造血器細胞株(Jurkat、K562、KG-1、BALL-1、K051、SAS413、KML-1、U937、KU812、HL60、OIH-1、Dami)の新規B7分子群mRNA発現をRT-PCR法で、細胞株およびAML初発患者(M0-1;17,M2;16,M3;7,M4;9,M5;8,M6;2)59症例の白血病細胞上のB7分子群の蛋白発現をフローサイトメーターで観察し,血液学的データや予後との関連を検討した。 B7-H1はK562で、B7-H2はJurkatでその発現が欠如していたが、その他のほとんどの細胞株で発現を認めた。患者検体では、B7-2は23症例(39.7%)で、B7-H2は10症例(16.9%)で陽性であった。B7-1、B7-H1陽性例はほとんどなかった。B7-2陽性例では陰性例と比較し、診断時白血球数が有意に高値であった。B7-H2陽性例と陰性例間では特に血液学的データの差はなかった。B7-2陽性例、B7-H2陽性例では陰性例と比較し有意に生存期間が短かく、B7-2、B7-H2が共に陰性の症例では、他の症例に比べ有意に予後良好であった。B7-2およびB7-H2陽性AML細胞株U937およびAML患者白血病細胞を用いて、in vitroでのAML細胞上B7分子群のCD4^+T細胞の増殖およびサイトカイン産生に及ぼす影響を解析したところ、抗ICOS、抗B7-2中和抗体によりB7-2およびB7-H2陽性AML細胞のCD4^+T細胞増殖作用の抑制とIL-4およびIL-10産生の抑制が認められた。 B7-2、B7-H2はともにAMLの予後不良因子であり、これらの分子がサイトカインなどを介して抗腫瘍効果を抑制する可能性が示唆された。これら補助刺激分子の細胞傷害性T細胞の誘導、あるいはapoptosis誘導につき現在検討中で、今後はマウスモデルなどを用いて解析する予定である。
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