2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14770558
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
高松 一郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00306698)
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Keywords | インスリン抵抗性 / 高血圧 / 腎障害 / NO / アンジオテンシンII |
Research Abstract |
16週間の高脂肪食投与により肥満モデル(体重:10.9±0.6kg→13.9±0.5kg)が作成され、血糖は変わらなかったものの(空腹時血糖:81±4→92±10mg/dl)、インスリン抵抗性(SSPG:92.2±7.9mg/dl→159.0±13.4mg/dl)と血圧の著明な上昇がみられた(平均血圧:96±4→120±4mmHg)。腎血行動態上は、GFR、RPFに若干の増加傾向がみられたが、FFには変化がなかった。また腎ナトリウム排泄については、時間排泄量の変化は認められなかったが、糸球体ろ過率で補正したFENaには低下傾向がみられた。そこで腎組織の脈管作動性物質について検討したところ、Microdialysis法で評価した腎組織NOは減少し(7.81±0.34→5.77±0.49μM)、またアセチルコリン刺激によるNO産生反応も減弱していた(ΔNO%:20.4±3.5→4.8±1.9%)。さらに基礎状態でのナトリウム排泄には変化がみられなかったが(34.4±6.4→32.9±6.8μmol/min)、アセチルコリン刺激によるナトリウム排泄は著しく低下していた(88.1±10.4→33.2±4.7μmol/min)。しかしNOドナーであるニトロプルシドによるナトリウム排泄には有意差は認められなかった(72.4±6.0→66.2±7.1μmol/min)。一方腎組織アンジオテンシンIIは上昇しており(12.7±1.5→22.0±2.4pg/mg tisssue)、AT1受容体拮抗薬(CS866)の投与による腎ナトリウム排泄は肥満犬で上昇していた(ΔUNaV:45.1±5.0→65.3±7.4%)。これらの結果から肥満に伴いインスリン抵抗性ならびに高血圧が出現したが、その機序には腎組織でのNO産生能の低下とアンジオテンシンII上昇の両者による腎ナトリウム排泄機能障害が関与することが考えられた。
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