2002 Fiscal Year Annual Research Report
マウス新生仔における慢性肺疾患モデルの作成とその肺病変の制御
Project/Area Number |
14770568
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
大木 康史 群馬大学, 医学部, 教務員 (80334118)
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Keywords | 新生児慢性肺疾患 / 酸素 / マウス |
Research Abstract |
マウスの新生児慢性肺疾患モデルの作成 [目的]新生児慢性肺疾患の至適モデル作成のために,複数の種類のマウスを高濃度酸素曝露して反応を検討した.[方法]BALB/CマウスあるいはCD-1マウス新生仔を95%酸素下で2週間,その後70%酸素下で1週間飼育した.3週間の曝露後に,呼吸機能検査(total body plethysmographを用いての最大吸気流速,最大呼気流速,吸気時間,呼気時間,一回換気量の測定),気道過敏性検査,組織学的検討(HE染色,Masson-trichrome染色標本),形態測定(肺胞構造発達の指標としてのradial alveolar count計測)を行った.[結果]BALB/Cマウスは80%が生存したが,CD-1マウスは25%の生存率であった.曝露終了時の体重はBALB/Cマウスでは高濃度酸素曝露群(以下Ox群)で有意に低かったが,CD-1マウスでは対照群との間に有意差を認めなかった.肺組織像では,両方のマウスのOx群で肺胞数は少なく,個々の肺胞腔は拡大していたが,肺胞間質への膠原線維沈着の増加は見られなかった.radial alveolar countはCD-1のOx群で対照群に比し有意に低値であった.メサコリンに対する気道過敏性の測定では両マウスのOx群で対照群より有意に亢進していたが,CD-1マウスでより著明な亢進を示した.呼吸機能検査では,CD-1マウスのOx群で対照群に比し,最大呼気流速,最大吸気流速,一回換気量の有意な低下を認めた.BALB/Cマウスでも同様の傾向を認めたが,Ox群と対照群との間で有意差を認めなかった.呼吸数,呼気時間,吸気時間は両マウスでOx群と対照群の間に有意差を認めなかった.[結論]今回の結果からは,本モデルは肺病理組織所見,呼吸機能検査所見、気道過敏性検査結果より新生仔慢性肺疾患モデルとして利用可能と思われ,特にCD-1マウスを用いたモデルが検討に適していると思われた.
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