2002 Fiscal Year Annual Research Report
膵島におけるグルタミン酸によるインスリン分泌制御機構の解析
Project/Area Number |
14770600
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山田 浩司 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (80325092)
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Keywords | ランゲルハンス氏島 / AMPA / LTD / endocytosis / Amphiphysin / Dynamin |
Research Abstract |
β細胞へのグルタミン酸信号の伝達の調節がインスリンの分泌制御に重要であろうと考えた。すなはち、β細胞における信号の受け取り効率の増減が重要であると考えた。ごく最近、神経細胞においてグルタミン酸信号を伝える際に、細胞膜上のAMPA型受容体が細胞内に取り込まれる(エンドサイトーシスされる)ことによって、結果的にその信号を受容できる受容体数が減少し、シグナル伝達効率が低下する現象が報告された。この現象は、神経の可塑性(LTD)に非常に重要である。そこでβ細胞におけるAMPA型受容体がエンドサイトーシスされるのかどうかを検討した。AMPA受容体の細胞外部分を特異的に認識する抗体を用いMIN6m9細胞をラベルした後グルタミン酸もしくはAMPAで刺激する。その後、酸性緩衝液にて細胞外の抗体を除き、細胞内に取り込まれた抗体を免疫染色法にて検出した。実際にそれらの刺激によりエンドサイトーシスが起こった。さらに、先に細胞外膜蛋白質をNHS-SS-biotinを用いてラベルした後グルタミン酸もしくはAMPAで刺激する。その後、細胞外の活性化biotinをグルタチオンにより不活性化した後エンドサイトーシスされたbiotin化AMPA受容体をビオチン・アビジンの結合を利用してアビジンビーズで沈降する。ビーズと其に沈降したAMPA型受容体をウエスタンブロッティング法を用いて検出した。この方法においてもAMPA型受容体のエンドサイトーシスが検出できた。さらに、AMPA刺激によるGluR2/3のエンドサイトーシスは、その競合的アンタゴニストによって、ほぼ完全に阻害された。β細胞には機能的にAMPA型受容体が発現しており、その受容体はリガンド依存性にエンドサイトーシスされることを実証することができた。
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[Publications] Yamada Hiroshi: "Norepinephrine-evoked5-Hydroxytryptamine secretion is Ca^<2+>dependent and mediated through exocytosis in rat pine alocytes"J.Neurochemistry. 81. 533-540 (2002)
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[Publications] Kinuta Masahiro: "Phosphatidylinositol 4,5-bisphosphate stimulates vesicle formation from liposomes by brain cytosol"Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 99. 2842-2847 (2002)
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[Publications] Kamitani Akihiro: "Distributions of dynamins in testis and their possible relation to spermatogenesis"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 294. 261-267 (2002)