2002 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病性血管障害におけるアポトーシスの発生メカニズムとその防御
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14770608
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐々木 佳世子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (70338903)
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Keywords | 酸化ストレス / 糖尿病 / 培養血管内皮細胞 / 培養メサンギウム細胞 / 鉄 / アポトーシス / グルタチオン / 高グルコース |
Research Abstract |
培養血管内皮細胞および培養腎メサンギウム細胞を用いて,高グルコース(HG)による細胞障害における酸化的ストレスおよびアポトーシスの関与について研究を行うにあたり,まず1)HG毒性に感受性となる培養系を作製し,2)HG負荷による細胞死がアポトーシスによるものであるかを確認し,更に3)HGによる細胞障害機序を検討している。 1)一般に培養血管内皮細胞の酸素毒性感受性は不安定であるが、その原因が鉄含量の変化に関係あるのではないかと考え,ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC)の継代培養細胞中の鉄含量と酸素毒性感受性との関連を調べた所,継代に伴って鉄含量は著しく減少しており,Fe/8-ヒドロキシキノリン(Fe/8HQ)を添加すると細胞の鉄含量は添加濃度に対して直線的に増加した。同様に培養腎メサンギウム細胞でも酸素毒性感受性が不安定であった。またHG毒性は酸素毒性に関与していた。鉄含量を高めた細胞では過酸化水素毒性が増強されたことから,生存率に影響を与えず過酸化水素毒性およびHG毒性に感受性となる至適鉄ロード条件を培養HUVECおよび培養ラットメサンギウム細胞において決定した。それぞれHBSSで洗浄後,0.1μM,0.5μMのFe/8HQで30分処理することで,安定なHG毒性感受性を取得することができ,この細胞系をHGで培養したものを糖尿病性血管障害モデルとして以後の解析に用いることとした。予備的に行った実験で,糖尿病モデルは正常細胞モデルに比べ細胞増殖率が低く、過酸化脂質の蓄積は大きいことが分かった。その差は高酸素ストレスをかけた場合一層顕著に有意であった。 2)作製したHG毒性感受性細胞系において,HGによって引き起こされる細胞障害がアポトーシスによるものであることを,蛍光顕微鏡を用いた形態学的観察により確認した。またヘキスト染色後マイトーシスとアポトーシスの細胞カウントを行い,HGによる細胞増殖の低下はマイトーシスの低下ではなくアポトーシスの亢進によることを明らかにした。 3)糖尿病性血管障害モデルとしての培養細胞系を用いて生細胞における抗酸化レベルを検討した所,グルタチオンの補酵素活性が著しく低下していたため,HGによるグルタチオンの変化を培養細胞中で検討中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kitamura M, Sasaki K et al.: "Regulatory pathways of retinoids in mesangial cells : Implication for oxidative stress-induced apoptosis"Nephrol Dial Transplant. (in press). (2003)
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[Publications] 佐々木佳世子 他: "(メサンギウム細胞におけるアポトーシスの制御機構-酸化ストレスとアポトーシスを中心に-) Annual Review 腎臓 2003(伊藤克己, 浅野泰, 遠藤仁, 御手洗哲也, 東原英二(編))"(株)中外医学社. 234 (2003)
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[Publications] 北村正敬, 佐々木佳世子: "(糸球体へのEx vivo遺伝子導入法)新・分子腎臓病学 実験操作法(富野康日己(編))"(株)文光堂. 256 (2003)