2003 Fiscal Year Annual Research Report
小腸移植後拒絶反応におけるMAdCAM-1の意義とその制御による新しい治療戦略
Project/Area Number |
14770622
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
金田 宗久 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60327533)
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Keywords | MAdCAM-1 / 小腸移植 |
Research Abstract |
I.小動物(ラット)を用いた小腸移植モデルにおけるMAdCAM-1の発現 ラットでは急性拒絶反応が最も強く出るACl(RTl^a)ドナーからLewis(RTl^1)レシピエント(雄性,200-250g)をドナーおよびレシピエントに使用し,同種異系同所性小腸移植を行った。この系の組み合わせでは,術後約1週間で拒絶反応がおこり,レシピエントはほぼ100%死亡する。この急性拒絶反応モデルを用い、タクロリムス非投与群において、MAdCAM-1の小腸グラフトにおける発現を検討した。 経日的に小腸移植後のグラフト腸管を採取し、凍結標本を作成した抗MAdCAM-1抗体(OST-2)を用いて免疫組織染色を施行した。 結果:MAdCAM-1の発現はグラフト腸管の粘膜固有層の小血管において、移植後4日目より、発現の亢進を認めた。 II.同小腸移植モデルにおける抗MAdCAM-1抗体投与の抗拒絶反応効果 小腸移植後のレシピエントラットに対して、抗MAdCAM-1抗体(OST-2)を移植後2日目より7日間連日、2mg/kg全身投与(静注)を行った。レシピエント生存期間に有意な差は認めなかったが、小腸グラフトのHE所見では、明らかにの拒絶反応のgradeを抑制していた。 <まとめ> ラット同所性小腸移植モデルを用いて、拒絶反応初期に小腸グララトにおけるMAdCAM-1の発現の亢進を認めた。 また同拒絶モデルにおいて、抗MAdCAM-1抗体(OST-2)を投与することで、小腸グラフトの拒絶反応における粘膜障害のgradeを抑制した。 よって、小腸移植の拒絶反応初期において、MAdCAM-1の発現の亢進が関与していることが示唆され、抗MAdCAM-1抗体は拒絶反応を抑制しうる可能性も示唆された。
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