2002 Fiscal Year Annual Research Report
DOTAPコレステロールを用いた大腸癌の遺伝子治療及びターゲッティングの臨床応用
Project/Area Number |
14770660
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
伊東 功 東海大学, 医学部, 助手 (70297258)
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Keywords | 遺伝子治療 / DOTAPコレステロール / 転移性肺癌 |
Research Abstract |
【目的】我々はカチオニックリポソームであるDOTAPコレステロールを用い、DOTPAコレステロール・プラスミド複合体の遺伝子導入後の腫瘍細胞と正常細胞における導入遺伝子の発現レベルの相違について比較検討を行なった。【対象と方法】実験に用いた細胞株はヒト肺癌NSCLC細胞株であるH1299、A549、H460とヒト正常線維芽細胞株であるCCD16、MRC9およびヒト正常気管上皮細胞株であるNHBEさらにマウス線維肉腫細胞株であるUV2237細胞株とマウス線維芽細胞株である3T3細胞株を用い、DOTAPコレステロール・ルシフェラーゼプラスミド複合体をトランスフェクト後のルシフェラーゼ活性を測定した。in vivoの実験においてはC3Hマウスのシンジェニック転移性肺癌モデルを用い、DOTAPコレステロール・ルシフェラーゼプラスミド複合体を尾静脈より投与し、肺組織中のルシフェラーゼ活性を測定した。【結果】in vitroの実験においてヒト腫瘍細胞株であるH1299、A549、H460及びマウスの腫瘍細胞株UV2237は正常細胞株であるMRC9、CCD16、NHBEおよび3T3と比べ導入遺伝子の発現が有意に高かった。in vivoの実験においてはUV2237腫瘍細胞肺転移モデルマウスでは転移のないマウスと比べ尾静脈投与後、肺組織中において導入遺伝子の発現が有意に高かった。【次年度実験計画】正常細胞と腫瘍細胞における導入遺伝子の発現の違いについて、膜表面の電荷の差やリポソームの細胞への取り込みの違いにつき検討をおこなっていく予定である。
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