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2002 Fiscal Year Annual Research Report

近赤外分光法を利用した心筋酸素代謝マッピング法による心拍動手術の基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 14770676
Research InstitutionKanazawa University

Principal Investigator

富田 重之  金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (90334771)

Keywords近赤外分光法 / 心筋酸素代謝 / 逆行性持続冠灌流
Research Abstract

心拍動心内手術を可能にするための持続灌流法を確立するにあたり、冠静脈からの逆行性冠灌流モデルを作成し実験検討した。まず従来より臨牀で使用している逆行性カニューレを用い、灌流時の心筋酸素飽和度(SO2)を近赤外分光法により検討し、さらに心筋の病理組織から心筋障害度を検討した。
結果は20mmHgの灌流圧にて逆行性灌流すると、右室心筋と中隔において明らかなSO2(70%)の低下を認め、心筋病理組織においても心筋内浮腫、充血を著明に認めた。一方、左室心筋ではSO2(85%)は正常を維持し、病理組織においても異常はみられなかった。以上の結果から通常の逆行性灌流では心筋への血液灌流が明らかに不均一となり、とりわけ右室、中隔への血液灌流が悪く心筋障害を招くことが明らかとなった。この不均一灌流の結果は冠静脈洞から最初に分岐する静脈の枝である、後下行枝が全く灌流されないためではないかと標本解剖から推察され、後下行枝を灌流可能な新しいカニューレを作成し同様のモデルで実験を試みた。
その結果、20mmHgの灌流圧にて同様に1時間逆行性灌流したところ、本方法では右室、中隔、左室ともにSO2は80〜86%と正常値を維持し、血圧の低下、不整脈等も認めなかった。さらに病理組織でも前実験でみられた心筋内浮腫、充血はみとめず心筋障害は明らかに軽減された。
以上の心筋酸素代謝、病理組織の両面の結果から、拍動下心内手術を可能とする逆行性灌流は充分可能であり、今後臨牀応用が期待できると考えられる。

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Published: 2004-04-07   Modified: 2016-04-21  

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